概要
『風姿花伝』は吉田本、観世本(宗節署名本)、金春本と呼ばれる三本の主要五巻本が知られており、また、「第四神儀云」が「聞書云」と題されて、第五相当の「奥義云」を持たないいわゆる四巻本がある。世阿弥の伝書のうちでは例外的に伝本の多い『風姿花伝』であるが、そのすべてがこの四系統のうちに属して、その本文は上に掲出の順に紹介されてきた。近年は比較的善本と考えられている金春本を底本とし、他本を参照して校訂本を作成して読まれるのが普通となっている。それはそれでよしとするも、いま少し踏み込んで、主要四本のそれぞれが、その系統の本文状況の中でどのようなかたちに受け止め、どのような位置を占めるのかを測っておく必要はあるだろう。ここに「第六花修云」、「第七別紙口伝」を加えた『花伝』の全伝本の対観を資料化して、今後の研究にいささかなりと寄与するところあれかしと願うばかりである。(「はしがき」より)
目次
はしがき/花伝諸本略解題/ 諸本対観凡例
花伝諸本対観
風姿花伝 序 (五巻本〈金春本・吉田本・観世本〉・四巻本〈金春別本〉)
第一 年来稽古条々(同上)
第二 物学条々(同上)
第三 問答条々(同上)
第四 神儀云(同上・四巻本は「聞書云」)
奥義云(金春本・吉田本・観世本)
花伝第六 花修云(世阿弥自筆本)
花伝第七 別紙口伝(古本〈四郎相伝本〉・元次相伝本)
『花伝』覚書 『花伝書』の世界/世阿弥伝書『花伝』/堀家本の出現/花廼家守枝と花廼家文庫/花屋書院より松廼舎文庫へ/黒川文庫の変遷/松廼舎文庫回顧/松廼舎文庫の世阿弥伝書/堀家本は本願寺本か/観世宗家の資料公開/能楽資料頒布会/観世宗家伝来資料の総合調査/金春家伝来資料/金春八左衛門家本『風姿華伝』/『花伝』の諸本対観について
こんにちは ゲスト様
- 検索機能で欲しかった書籍を
- 書籍・雑誌検索
- アカデミック版などお得に
- ソフトウェア
- 記念品やお土産に最適
- 岡山大学オリジナルグッズ
- お得で旬な商品をご紹介
- メールニュース掲載商品
- 大学生協の医療書専門店
- IKEI メディカルブックストア