アイヌ民族共有財産裁判の訴えが最高裁で棄却されて三年がたつ。八年にわたる裁判で、明治以来、「小石一つアイヌの自由にならず」の言葉通り、アイヌ民族の財産をめぐる日本政府の理不尽な対応が明らかとなったが、アイヌ民族の尊厳をかけた叫びは認められなかった。本書は、原告、弁護士、支援する全国連絡会がまとめあげた、膨大な裁判資料と、関わった人々の貴重な記録である。

発刊にあたって
第一部　アイヌ民族共有財産裁判の経過と意義について
第二部　第一審　札幌地方裁判所
第三部　第二審　札幌高等裁判所
第四部　最高裁判所上告
付　録　北海道知事広告、北海道旧土人保護法とその関連法規等
アイヌ民族共有財産裁判年表