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タッチパネル

タッチパネル
著者/訳者名

三谷雄二((株)タッチパネル研究所 代表取締役)

出版社 CMC出版
発行年月日 2009年06月23日
ISBNコード 9784781300856
定価 ¥2,860(税込)

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概要

 タッチパネルは2000億円市場に急成長し,ディスプレイに次ぐ産業に成長しつつある。米国で生まれたこの新しい産業は日本で育ち,アジアで成熟しようとしている。初めは,米国の軍需用の新しいマン・マシンインターフェースの便利で簡単・迅速に入力できる装置として,画面に触れて入力できるタッチパネルがコストを度外視して開発され種々の原理の異なるタッチパネルが生まれた。日本で開発された透明導電性フィルムが海外を渡り,米国で抵抗膜式タッチパネルに生まれ変わった。この新しい入力装置が日本に戻ってきたときは,国内はまだパソコンの夜明け前だったので,そのことの重大さを筆者も気付いていなかった。日本では,タッチパネルは銀行のATMから普及してきたようだ。初めてタッチパネルに触れたのは銀行のATMだった人が多い。それもタッチパネルとは知らないで…。
 近年,至るところにタッチパネルがあり,身近な存在となっている。PDA,携帯電話,ゲーム,駅の券売機,病院やホテルの案内,電子レンジ,リモコン… 回転すしの注文だってタッチパネルできる。これだけ多く使われているのに,よく見てもどれがタッチパネルなのか専門家でないと分からない。タッチパネルを使った人は多いけど,タッチパネルは見えないように作られているので本体がどこにあるのか専門家でないと分からない。普通の人には,まるで仕掛けがわからないマジックを見ているようにだ。メーカは,人に見えない・人が気付かないタッチパネルの開発と製造にしのぎを削っているのだから道理だ。
 タッチパネルは汎用技術をうまく組み合わせて作られている。最先端の高度な技術がなくても開発できてしまう点で,タッチパネル産業は半導体やディスプレイ産業と異なっている。タッチパネルの要素は独立した技術ではなく,広範な技術を活用して構成している。独立した技術分野を形成していないので,独立した学会はなく,多くの学会で付録のように扱われている。大学の研究として取り上げられることは少なく,技術開発は殆ど民間の研究所に委ねられているのが現状である。専門技術は近年,一部のディスプレイ誌に周辺機器の一つとして取り扱われているのに過ぎない。それでも,貴重な専門誌や素人にもよく分かる啓蒙書などが発刊された。1),2)本書も数少ない専門書として,タッチパネル産業に携わる多くの国内外の技術者の役に立つことを念じている。

目次

第1章 光学式タッチパネル(伊勢有一)
1. はじめに
2. 原理・構造
3. 特徴
4. ニーズへの対応
5. 構成部材と材料
6. 技術
7. ソフトウェア
8. 用途
9. おわりに

第2章 赤外線イメージセンサー方式「XYFer Tchnology」(大久保諭隆,齊藤典生,恒﨑賢仁)
1. はじめに
2. 赤外線イメージセンサー方式サイファーテクノロジーとは
3. 複数指を認識する多点認識機能
4. タッチした物の大きさを認識
5. 各種製品事例
5.1 プラズマディスプレイ用タッチパネル
5.2 40インチ円卓型
5.3 75インチガラススクリーン型
5.4 80インチリアプロBOX型
5.5 100インチフロント投影型
5.6 150インチリアプロジェクション型
5.7 空間センサー
6. 今後の展開
7. おわりに

第3章 超音波表面弾性波方式タッチパネル(追谷武寿)
1. はじめに
2. 超音波表面弾性波方式の構造と動作原理
3. 超音波表面弾性波方式の特徴
3.1 高透過率
3.2 長寿命
3.3 安定性
3.4 スタイラス使用可能
3.5 高分解能
3.6 大型化
3.7 押圧検知可能
3.8 デザイン性
3.9 超音波表面弾性波方式の注意点
4. 超音波表面弾性波方式タッチパネルの駆動回路
5. 超音波表面弾性波方式タッチパネルのなかま
5.1 Secure Touch(セキュアタッチ)
5.2 iTouch(アイタッチ)
6. 超音波表面弾性波方式タッチパネルを採用したアプリケーション
6.1 メディアテーブル
6.2 CD作成コントロール末端
6.3 レントゲン写真閲覧システム
7. おわりに

第4章 高透過率のSAW方式のタッチパネル(中沢文彦)
1. はじめに
2. SAWデバイスと検出原理
3. トランスデューサ構造
4. 電極材料
5. ガラス
6. トランスデューサ構成
7. 検出回路
8. ソフトウェア
9. まとめ

第5章 静電容量式タッチパネルの最新技術動向(黒沢理)
1. はじめに
2. 静電容量式タッチパネルのパネル構成
3. 静電容量式タッチパネルの駆動回路
4. 静電容量式タッチパネルの進歩
4.1 位置精度の向上…ノイズとの戦い
4.2 パネル構造上の要求
4.3 光学特性向上
4.4 ユーザーインターフェース向上
5. 静電容量式タッチパネルの新たな展開
6. おわりに

第6章 電磁誘導方式デジタイザ(堀江利彦)
1. はじめに
2. 電磁誘導方式デジタイザの動作原理
2.1 一般的な電磁誘導方式
2.2 電磁誘導方式の特徴
2.3 電磁誘導方式の課題
3. 電磁授受作用方式デジタイザ
3.1 電磁授受作用方式の概略
3.2 電磁授受作用方式の特徴
3.3 電磁授受作用方式デジタイザの構造例
4. 電磁授受作用方式デジタイザの動作原理
4.1 原理
4.2 座標検出方法
4.3 電子ペンの動作原理
5. デジタイザの性能
5.1 静特性
5.2 動特性
6. コンピュータとの接続
7. 電磁授受作用方式を採用した液晶ペン入力用デジタイザの紹介
7.1 12.1”液晶用SU-029-デジタイザユニット
7.2 電子ペン
8. おわりに

第7章 抵抗膜式タッチパネル(矢ケ﨑琢也,中西朗)
1. はじめに
2. 抵抗膜式タッチパネルと他の方式との比較
3. 抵抗膜式タッチパネルの構造とバリエーション
4. 抵抗膜式タッチパネルの動作原理と主要特性
5. 抵抗膜式タッチパネルの技術動向
5.1 視認性の向上
5.1.1 反射防止膜を利用した視認性向上
5.1.2 偏光板を利用した反射防止法による視認性向上
5.1.3 その他の反射防止法による視認性向上
5.1.4 ニュートンリング防止
5.2 耐久性の向上
5.3 耐環境性の向上
5.4 耐指紋付着性の向上
5.5 狭額縁設計
5.6 薄型化
6. 今後の展開

第8章 スピーカ 一体型タッチパネル(佐伯周二,村上哲郎)
1. はじめに
2. 基本構成と発音原理
3. 音響基本性能
3.1 表面フィルムの音響駆動
3.2 ドライバ位置と音圧周波数特性
4. スピーカ一体型タッチパネル
5. スマートフォンへの応用
6. 今後の展開

第9章 携帯端末向けフィルム-フィルムタッチパネル(遠藤みち子)
1. はじめに
2. 広がるタッチパネルの用途
3. 抵抗膜方式タッチパネルの構造
4. フィルム-フィルムタッチパネルの構成
4.1 アンチニュートン処理
4.2 狭額縁対応
4.3 裏面粘着層
4.4 外形
4.5 保護フィルム
5. フィルム-フィルムタッチパネルの課題
5.1 耐環境特性
5.2 透過率
5.3 耐久性
6. フィルム-フィルムタッチパネルの適用分野
7. 今後の動向

第10章 タッチパネル用印刷インキ(塩沢直行,三谷毅)
1. はじめに
2. 抵抗膜式タッチパネルの構造と使用材料
3. 製造プロセスと使用インキ
4. 使用印刷材料の構成
4.1 ITOエッチング用レジストインキ
4.2 銀ペースト
4.3 ドットスペーサ
4.4 絶縁インキ
4.5 粘着ペースト,粘着テープ
4.6 異方導電ペースト(ACP)・異方導電フィルム(ACF)
5. 当社のタッチパネル関連材料
6. 今後の展望

第11章 抵抗膜式タッチパネルの評価方法と装置(三谷雄二,高野瀬弘二,板倉義雄)
1. はじめに
2. 抵抗膜式タッチパネルの種類と特性
3. 検査項目と検査機
4. アナログ式タッチパネルの検査原理
5. マトリックス式のタッチパネルの検出原理
6. アナログタイプ・タッチパネルの検査項目と仕様例
7. 評価システムと事例
7.1 電気特性試験機
7.2 筆記耐久試験機
7.3 評価機
7.4 ON荷重測定機
7.5 打鍵試験機
7.6 開放型透過率測定機
8. おわりに

第12章 タッチパネル上に凹凸テクスチャ感を表現する静電触感ディスプレイ(山本晃生)
1. はじめに
2. 触感ディスプレイ
3. 静電触覚提示
4. フィルムスライダを用いた静電触感ディスプレイ
4.1 原理
4.2 構成例
4.3 特性
4.4 微細凹凸テクスチャの表現例
5. タッチパネルを用いた視触覚ディスプレイ
5.1 装置構成
5.2 テクスチャ提示例
6. まとめ

第13章 ユーザインタフェースとしてのタッチ画面特性とキーボードレイアウトの改善(黒川隆夫)
1. はじめに
2. デスクトップ型タッチ画面の基本インタフェース特性
2.1 ポイント時間
2.2 ポイント精度
2.3 テイクオフ法におけるポイント時間とポイント精度
2.4 水平画面と垂直画面
2.5 単一ボタン表示とマルチボタン表示
2.6 タッチ画面インタフェースのデザインガイドライン
3. PDAタッチ画面の基本インターフェース特性
4. タッチ画面上のキーボードの特性とその改善
4.1 5種類のかなキーボードの特性
4.2 キーボードレイアウトの改善
5. おわりに

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