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白川静

白川静
著者/訳者名

松岡正剛=著

出版社 平凡社
発行年月日 2008年11月21日
ISBNコード 9784582854404
定価 ¥858(税込)

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概要

白川静(1910-2006)は、漢字の始原を訪ね、本来、文字には神につながる力があるといった斬新な見方を示した。その成果は『字統』『字訓』『字通』の字書三部作等にまとめられ、文化功労者に選ばれ、文化勲章を受章しているなど高く評価されている。
独自の編集技術と博識で知られる著者が、白川静の〈文字それ自身がもっている世界観〉に注目し、白川学への道しるべを立てたのが本書である。白川静への初めてのかつ格好の入門書であり、それと同時に、日本語の豊かさと深さを教えてくれる内容となった。
甲骨文、金文等の文字資料を組み込み、地図、写真、年譜を加えるなど、初心者でも読みやすい本になっている。

目次

第一章 文字が世界を憶えている
白川静と漢字の世界観/『漢字』の衝撃/漢字には原初の祈念や欲望がある/“漢字の体系”とは/白川静の生い立ち/「漢字」と「東洋」へのめざめ/「文字を写しながら考える」

第二章 呪能をもつ漢字
文字本来の「力」/文字には呪能がある/甲骨文の誕生/甲骨文は神聖な王のためのもの/サイとは言霊の入れもの/サイから広がる漢字群/漢字研究は言語の本質との闘い/古代社会での言霊の攻防

第三章 古代中国を呼吸する
古代は神話とともにはじまる/洪水神話と古代の王たち/古代中国の歴史/金文の世界/東洋学としての白川学/漢字のマトリックス/「文字講話」で訴えたもの

第四章 古代歌謡と興の方法
白川論文の独創性/研究の深化と蓄積/故郷の先人・橋本左内と橘曙覧/歌を詠むために「思いを興す」/古代歌謡は何によって生まれたのか/「興」という方法/『詩経』の民俗学的解釈

第五章 巫祝王のための民俗学
民俗学の開花/『万葉集』と『詩経』をつなぐもの/草摘みと水占(みなうら)の事例/雄略天皇の歌の真意/人麻呂「安騎野の冬猟歌」の大胆な解読/神との交感を基とする/巫祝王の時代はいつまでつづいたのか/春秋から戦国へ

第六章 狂字から遊字におよぶ
新しい孔子像/「巻懐」という方法/孔子と「狂」の関係/「狂」の二面性/「遊ぶものは神である」/字書の哲学/辞典編纂者の歴史/字書三部作
第七章 漢字という国語
漢字の原理/「漢字は日本の国字である」/日本人の感覚で漢字をつかいこなす/万葉仮名の発明/和漢混淆──日本人のデュアル・スタンダード/日本の文字革命=仮名/共鳴しつづける漢字の世界

本書で引用した白川静の文献一覧
白川静略年譜

あとがき──豆腐とニガリ

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