概要
脳科学の行く手には、大きな壁がある。技術の壁、スケールの壁、こころの壁、社会の壁である。
たちはだかる大きな壁に対して、脳科学者はどのように問題を解決しようとしているのか。
自由意志や社会的適応、ココロの理論、あるいは脳科学の実験環境や、話題のブレイン‐マシン・インターフェイスなども押さえながら、「脳と社会」の関係性から脳の解明を目指す。
目次
第1章 脳科学の四つの壁
脳科学と社会
社会性研究という希望
脳科学の四つの壁
技術の壁
スケールの壁
こころの壁
社会の壁
第2章 社会脳研究で壁をこわす
挑戦開始
研究のフレームを作る
個体内適応機能
スケールに立ち向かう
社会性脳研究の第一歩
抑制こそ社会性の根本である
初めての社会性脳機能測定
社会空間認知と適応機能
抑制から社会を考える
選択的抑制機能と社会的適応知性
第3章 適応知性解明に向けて
脳科学の壁を壊す四つの試み
大規模記録手法開発による汎脳機能理解
習慣的脳機能表現の客観的理解
社会的意思決定のメカニズム解明
脳機能からみた社会の仕組み解明
第4章 仮想空間とヒト
ヒトの社会的脳機能を探ろう
“賢い”生き物はヒト以外にもたくさんいる
発達とココロ
仮想空間という実験場
仮想と現実の境界
やってみたいと思っている課題
身体の恒常性と脳機能計測
仮想空間の可能性
第5章 ブレイン-マシン・インターフェイス
生物学と脳科学
情報と操作
ブレイン-マシン・インターフェイス
BMI研究の最初の壁
ECoGという選択
初めてのデコーディング
転んでもただでは起きない
BMIによる操舵
第6章 脳と社会
ヒトと社会
しあわせなヒト
リスペクト経済
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