長年、児童精神科医として臨床に専念してきた著者が、子どものもつ豊かな可能性とゆれ動く心の援助にどうかかわるか、本質に迫る。

第１部　診察室から見えてくること

生活指導実践の困難点
発達段階別にみた子どもの情緒的問題
中学生の精神病理
子どものメンタルヘルス
森田理論からみた子供の精神発達
非言語性の学習障害
Ｍ君が教えてくれたこと
落ち着きのない子どもたちとの治療的かかわりから考えたこと

第２部　子どもの未来をみつめて

発達障害という事実を受けとめるために
クリニックにおける心理臨床
ライフサイクルからみた不安
フランスの児童精神医学
子どものうつ病と家族の問題
精神的健康
スクールカウンセラーから見た日本人学校
行動療法雑感
60年たった今でも消えないあのころの恐怖、みじめさ
アスペルガーということばの流布への異議

第３部　子どものこころに寄り添って――自閉症児に育てられる

自閉症児に育てられる
自閉症児の生き方をどうとらえるか
自閉症児のことばの指導
自閉症児の療育キャンプ
成人期の自閉症者とむきあう
自閉症児の生涯発達