概要
安全かつ迅速に気管挿管を行える実践的なDAMの解説書.カラー写真と動画で注目のエアウェイスコープ,気管支ファイバースコープ,トラキライト,スタイレットスコープの使用法が初心者にもマスターできる!
目次
Ⅰ 総 論
1.difficult airwayとは?【中川雅史】
・定義
* 01 マスク換気困難
* 02 喉頭展開困難
* 03 気管挿管困難
* 04 気管挿管失敗
・なぜdifficult airway managementが重要?
・麻酔導入時のdifficult airwayの頻度は?
2.術前評価【中川雅史】
・マスク換気困難の予測因子
* 01 マスク換気困難のスケールとその頻度
* 02 マスク換気困難を予測する因子
・喉頭展開困難の予測因子
* 01 確認するべき術前所見
* 02 口腔咽頭スペースの評価
* 03 下顎スペースの評価
3.DAM対策 airway approach algorithm(AAA)に基づいて【車 武丸】
・airway approach algorithm(AAA)とは?
・アルゴリズムの実際
* 質問1 気道管理は必要ですか?
* 質問2 喉頭展開困難の可能性はありますか?
* 質問3 上喉頭換気は可能ですか?
* 質問4 胃は空ですか?(誤嚥のリスクはありますか?)
* 質問5 無呼吸に耐えられますか?
・身につけるべき技術とは?
4.DAMに必要な器具・機材【上農喜朗】
* 01 DAMカートの準備と中身
* 02 硬性喉頭鏡
* 03 硬性ファイバー喉頭鏡
* 04 気管チューブ
* 05 チューブ誘導器具
* 06 逆行性挿管に必要な機材
* 07 コンビチューブとその他の喉頭上換気器具
* 08 経気管ジェット換気用のベンチレータ
* 09 輪状甲状膜穿刺に必要な器具と注意点
* 10 DAMカートのメンテナンス
5.DAMに必要な環境の整備【上農喜朗】
・気道管理を行う環境
* 01 手術室における気道管理の基本
* 02 救急初療室・集中治療室における気道管理の特徴
* 03 一般病棟における気道管理の留意点
・手術室における気道困難症例に対する対処手順
* 01 ASAの気道困難の管理に関する実践ガイドラインの問題点と対策
* 02 施設独自にカスタマイズしたアルゴリズムの例
・手術室における気道困難症例の管理に関する訓練
* 01 DAM訓練の例とその特徴 37
* 02 ハンズオントレーニングの実施方法と効果
* 03 シナリオトレーニングの実施方法と効果
6.わが国と米国のDAM事情【中川雅史】
・日本のDAMセミナー
* 01 第1回DAM実践セミナーの開催
* 02 DAM研究会・DAM世話人会の活動
・ASA(アメリカ麻酔学会)のDAMアルゴリズム
* 01 DAMのための戦略
* 02 抜管のための戦略
* 03 フォローアップ
7.マスク換気困難と喉頭展開困難対策の基本 意識下挿管のすすめ【車 武丸】
・挿管困難と喉頭展開困難の違い
* 01 挿管困難と喉頭展開困難の違い
* 02 そもそも喉頭展開は見えないはずのものを無理やり見ようとする行為である
・意識下挿管と麻酔導入後の挿管との比較
* 01 意識下挿管は難しい?
* 02 意識下挿管のメリット
* 03 意識下挿管のデメリット
・適応と分類
* 01 意識下挿管の適応(どんな時に行うか)
* 02 意識下挿管の分類
・術前の説明
* 01 意識下挿管の同意を得る
* 02 具体的な手順についての説明
・鎮静と表面麻酔
* 01 意識下挿管における鎮静の役割
* 02 鎮静薬はフェンタニルのみで
* 03 基本は表面麻酔
* 04 フルストマックと表面麻酔
・頻度・方法の変遷
Ⅱ 各 論
[意識下挿管]
A.エアウェイスコープ【車 武丸】
1.エアウェイスコープの特徴
・マッキントッシュ喉頭鏡や他のタイプのビデオ喉頭鏡との比較
* 01 喉頭展開不必要・優れたチューブ誘導機能
* 02 進め方が異なる
* 03 内蔵ディスプレイ・ターゲットマーク
・気管支ファイバースコープ(FOB)との比較
* 01 チューブの声帯通過を目視可能
* 02 エアウェイスコープの不利な点
2.挿入前の準備
・デバイスの準備
* 01 使用するチューブ
* 02 チューブをセットする位置
・鎮静と表面麻酔
* 01 手術室に患者が到着したら
* 02 患者が手術台に乗ったら,フェンタニル投与をしつつ,表面麻酔を追加
3.挿入手順
・咽頭後壁まで挿入
・手前に90度回転→声門をターゲットマークに合わせる
・チューブを気管内へ進める
・気管内であることの確認
・麻酔導入
4.症例
・肥満
* 症例1 肥満以外には合併症のない典型例
* 症例2 扁桃肥大著明・睡眠時無呼吸症候群の症例
* 症例3 エアウェイスコープのブレード(イントロック)先端が深めに挿入された症例
* 症例4 スムーズな挿入にも関わらず,声門が閉鎖していた症例
* 症例5 舌を押し込んで苦労した症例
* 症例6 高度肥満に加え,フルストマックであった症例
・術後の頸部出血症例~解剖学的変形のある場合~
・フルストマック
* 症例1 胃管より著明に逆流を認めた症例
* 症例2 初めての施行者による例(2例)
* 症例3 非協力的な患者に対する施行例1
* 症例4 非協力的な患者に対する施行例2
・術前状態不良例
* 症例1 術前より酸素化不良を認めた症例
* 症例2 吸引カテーテルを通して局所麻酔薬の気管内散布を行った例
・意識下では挿管できなかった例
・頸部後屈制限と開口制限を認めた症例
B.気管支ファイバースコープ【車 武丸】
1.気管支ファイバースコープによる気管挿管の特徴
・ファイバー挿管の位置づけ~意識下での使用にも最適~
・経口か経鼻かの選択
* 01 経鼻の方が反射は少ない
* 02 経鼻では進行角度が滑らか
2.挿入前の準備
・デバイスの準備
* 01 気管チューブ
* 02 気管支ファイバースコープ
・患者側の準備
3.挿入手順
・経鼻編
* 01 声門を見つけるまで
* 02 声門を見つけたら,局所麻酔薬を追加投与(spray as you go法)
* 03 気管支ファイバースコープを気管内へ進める
* 04 気管支ファイバースコープが気管内に入ったらチューブを進める
* 05 気管「内」挿管であることの確認,その後に麻酔導入
・経口編
* 01 エアウェイとチューブを挿入
* 02 ファイバースコープをチューブに挿入して声門を探す
4.症例
・開口障害の認められた例
* 症例1 開口障害の認められた例 ①
* 症例2 開口障害の認められた例 ②
・関節リウマチを合併した先端肥大症があった例
・後咽頭膿瘍で上気道の変形・狭窄があった症例
[麻酔導入後挿管]
A.トラキライト【車 武丸】
1.トラキライトの特徴
・トラキライトのすゝめ~ある地方病院にて~
・トラキライトの利点~声門が見えなくても挿管可能~
・トラキライトの構成
・トラキライトを効果的に使用するために
2.挿入前の準備
・すべりをよくする
* 01 オリーブ油を使用
* 02 スタイレットを直線化
・チューブ装着・ワンドを曲げる
* 01 使用するチューブ
* 02 チューブをセットする
* 03 チューブを曲げる
・照明の調節
3.挿入手順
・頭頸部はニュートラルポジション
・挿入方法・その1~声門を通過させるまで~
* 01 右手はハンドルを持つ
* 02 左手で下顎挙上
* 03 デバイスを挿入……3時の方向から,咽頭後壁までまっすぐに
* 04 振り子様運動
* 05 透過光の位置 ・性状でチューブ先端の位置を予測・誘導する
* 06 声帯を通過させる
・挿入方法・その2~声門を通過させてから~
* 01 スタイレットを10cm程度引き抜きながら,気管チューブを進める
* 02 進みにくい場合の工夫~右に90度捻る~
・ハンドルを抜けば,挿管完了
* 01 どこまでチューブを進めるか
* 02 足元の方向へデバイスを引き抜く
・チューブの深さを確認
4.症例
・トラキライト挿入画像~典型例・明るい部屋編~
・トラキライト挿入画像~暗い部屋編1・2~
・透視画像
5.メンテナンス
・スタイレットを引き抜く
・スタイレットのみを直線化する
・洗浄
・消耗しやすい箇所
B.スタイレットスコープ【中川雅史】
スタイレットスコープによる喉頭展開困難対策の実際
・器具の一般的な解説
・挿入前の準備
* 01 セッティング
* 02 気管チューブのセット
* 03 ライトとフォーカスの確認
・実際の挿入
* 01 頭頸部のポジション
* 02 気管挿管補助ブレードの挿入
* 03 スコープの挿入(ポイントは正中,垂直!!)
・症例
* 01 通常症例
* 02 気道確保困難例での使用
・メンテナンス
・コラム
* ちょっと変わった喉頭鏡の使い方:left molar approach を試そう【中川雅史】
* 挿管困難から挿入困難へ【上農喜朗】
* 腹臥位での気道確保・気管挿管【上農喜朗】
* DAMへのこだわり:挿管に筋弛緩薬は必要?【中川雅史】
* エアウェイスコープは困難気道アルゴリズムを変えるか【車 武丸】
* 喉頭鏡は生き残るか?【車 武丸】
* 普段の私 【車 武丸】
・付録【車 武丸】
* 挿管困難Q&A
* 使用機器・薬剤一覧
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