ICUでの病態管理と急変時に役立つQ&A 改訂第2版
概要
ICUで遭遇しうる治療のノウハウや病態把握のための検査,鑑別に対する130余りの疑問に,現場のベテラン臨床医が答えます!多くの研修医,当直医,麻酔科医に支持されてきたICU入門書,待望の改訂版!
目次
知識・対処 編
ICUで必要な手技【早野大輔】
* Q01 気管挿管はどのようなときに適応となるのでしょうか?
* Q02 中心静脈確保にはどのようなアプローチがあるのですか?
* Q03 上気道異物のため気管挿管ができません.このような場合はどう対処したらよいのでしょうか?
* Q04 喉頭損傷にて挿管できません.気道確保はどのようにして行えばよいでしょうか?
* Q05 緊張性気胸のため閉塞性ショックとなりました.どのような緊急処置が必要でしょうか?
* Q06 胸部外傷により心タンポナーデが生じ,血圧が低下しています.どのような処置をしたらよいでしょうか?
* Q07 心肺蘇生中に心室細動が生じました.どのような緊急処置を施したらよいでしょうか?
重症感染症・抗菌薬【杉田 学】
* Q08 ICUにおけるempiric therapy(経験的予測的治療)とは何ですか?
* Q09 重症感染症に抗生物質を用いる場合,どのようなことを考慮しますか?
* Q10 肺炎の重症度は何から診断しますか?
* Q11 市中肺炎に対する治療のガイドラインはありますか?
* Q12 PK/PDを考慮した抗菌薬の投与法とはどのようなものですか?
* Q13 ICUに入室している患者が真菌感染症を起こすことは稀ですか?
* Q14 敗血症はどう定義されますか?
急性心不全・重症不整脈【松村 穣】
* Q15 急性心筋梗塞を疑う胸痛患者に,まず行うべき処置は何ですか?
* Q16 冠動脈インターベンション(PCI)の適応は?
* Q17 心原性ショックの治療は?
* Q18 急性心不全の病態,基礎疾患は?
* Q19 急性心不全の早期診断,治療効果のモニタリングは?
* Q20 心不全の治療は?
* Q21 大動脈内バルーンパンピング法(IABP)の適応は?
* Q22 経皮的心肺補助法(PCPS)の適応は?
* Q23 緊急に対処しなければならない不整脈は?
急性腎不全・電解質異常【西森茂樹】
* Q24 急性腎不全の二大徴候をあげてください
* Q25 敗血症で急性腎不全に陥る機序をあげてください
* Q26 代表的な急性血液浄化療法を5つあげてください
* Q27 血液透析での血液流量,透析液流量はどのくらいですか?
* Q28 血液透析(HD)と持続的血液濾過透析(CHDF)の相違点を3つあげてください
* Q29 低ナトリウム血症はナトリウム不足が原因ですか?
* Q30 高カリウム血症はカリウム過剰が原因ですか?
* Q31 高カルシウム血症の原因疾患を2つあげてください
呼吸不全・人工呼吸器【繁田正毅】
* Q32 治療が必要な呼吸不全とはどういうものですか?
* Q33 酸素投与はどのように行いますか?
* Q34 人工呼吸はICU入室者に全例行うべきですか?
* Q35 人工呼吸の適応基準はどのようなものですか?
* Q36 人工呼吸の換気モードにはどのようなものがありますか?
* Q37 ベンチレーターの初期設定はどうすればよいでしょうか?
* Q38 人工呼吸管理の継続とウィーニングはどのようにすればよいでしょうか?
* Q39 NPPV(非侵襲的気道内陽圧換気)では何に注意すればよいでしょうか?
蘇生後脳症・頭蓋内圧亢進・脳梗塞急性期【神保洋之】
* Q40 蘇生後脳症の治療で最も重要なことは何ですか?
* Q41 蘇生後脳症の病態評価において,CT検査上認められる所見は?
* Q42 蘇生後脳症に対する集中治療にはどのようなものがありますか?
* Q43 心停止時間がわからない場合の重症度はどのように判断しますか?
* Q44 頭蓋内圧(ICP)測定の適応は?
* Q45 頭蓋内圧(ICP)と脳灌流圧(CPP)の治療閾値はどのくらいですか?
* Q46 ICP測定法にはどのような方法がありますか?
* Q47 ICP亢進の一般的治療にはどのようなものがありますか?
* Q48 ICP亢進の薬物療法にはどのようなものがありますか?
* Q49 ICP亢進に対する外科的治療の適応と手術のタイミングは?
* Q50 脳梗塞急性期血栓溶解療法が有効な理由は?
* Q51 アルテプラーゼ静注療法の適応基準と除外基準は?
血糖異常【清田和也】
* Q52 低血糖の原因をあげてください
* Q53 低血糖の症状にはどんなものがありますか?
* Q54 低血糖の治療法は?
* Q55 ケトン体はどうしてできるのですか?
* Q56 高血糖ではどうして意識が障害されるのですか?
* Q57 高浸透圧性非ケトン性高血糖(NKH)と糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の違いは?
* Q58 高血糖の治療法は?
輸液・栄養管理【三宅康史】
* Q59 救急患者の最初の輸液には何を準備すればいいですか?
* Q60 “脱水”とはどんな病態ですか?
* Q61 水分や電解質の1日必要量はどうやって求めればいいですか?
* Q62 たくさんある輸液製剤の分類と使用目的を教えてください
* Q63 生理食塩液と,乳酸リンゲル液,酢酸リンゲル液,重炭酸リンゲル液の違いは何ですか?
* Q64 点滴の投与ルートはどこが適当ですか?
* Q65 1日に必要なカロリー量は?
* Q66 手術患者の周術期における輸液の選択は?
* Q67 膠質液を投与すべき病態は?
* Q68 急性期の栄養療法にはどのような方法がありますか?
* Q69 TPN(中心静脈栄養)の適応とそのつくり方を教えてください
腹部救急【野内俊彦】
* Q70 急性腹症でファーストチョイスとなる画像検査は何ですか?
* Q71 緊急内視鏡の適応はどのような病態ですか?
* Q72 食道静脈瘤破裂の対処方法は?
* Q73 心房細動のある高齢者に突発した激しい腹痛.腹膜刺激症状はありません.
原因として何を考えますか?
* Q74 潰瘍性大腸炎劇症型の治療方針は?
* Q75 急性胆管炎の治療方針は?
* Q76 急性膵炎の重症度判定はどうすればよいでしょう?
* Q77 アセトアミノフェンによる肝障害の治療法は?
鎮静・鎮痛・脳死判定【清水敬樹】
* Q78 フレイルチェストの最も効果的な治療法は?
* Q79 挿管管理下で意志疎通を図りながら使用可能な鎮静薬は何ですか?
* Q80 近年,主に手術中に使用される従来の麻薬と異なる「切れ味の鋭い」合成麻薬が本邦でも登場しましたが,どのような薬剤でしょうか?
* Q81 近年,従来の筋弛緩薬と異なる「切れ味の鋭い」筋弛緩薬が本邦でも登場しましたが,どのような薬剤でしょうか?
* Q82 脳死とは何でしょう?
* Q83 脳死判定の手順は?
症例検討 編
ICUで必要な手技【早野大輔】
A.腰椎穿刺が必要な患者
* Q1 腰椎穿刺するとき,どのようなことに注意が必要でしょうか?
B.輪状甲状靭帯切開が適応の患者
* Q1 緊急気管切開ではなく輪状甲状靭帯切開を選択したのはどうしてでしょうか?
C.開胸心臓マッサージが適応の患者
* Q1 開胸心臓マッサージの適応にはどのようなものがありますか?
* Q2 なぜ腹部外傷において開胸心臓マッサージが適応となるのですか?
D.除細動が必要な患者
* Q1 緊急時の電気的除細動の適応となる心電図波形はどのようなものがありますか?
* Q2 なぜ心室細動は緊急に除細動しなくてはならないのですか?
重症感染症・抗菌薬【杉田 学】
E.抗生物質,非ステロイド系消炎鎮痛薬使用後に起こった呼吸不全
* Q1 他院で腎不全と診断され尿量も低下していたのに,透析でなく大量輸液を行った理由はなぜですか?
* Q2 大量輸液により尿量は増加しましたが,血圧が上がらなかったのはなぜですか?
* Q3 肺動脈カテーテル(Swan-Ganzカテーテル)で得られたデータから何がわかりましたか?
* Q4 輸血を行ったのはなぜですか?
* Q5 黄色ブドウ球菌の感染でも敗血症性ショックになるのでしょうか?
急性心不全・重症不整脈【松村 穣】
F.心原性ショックに対するICU治療
* Q1 心電図所見から考えられる原因疾患は?
* Q2 ICUへ移送後すぐに行うべき治療は?
* Q3 心室細動に対する治療は?
* Q4 急性心不全を合併しました.治療効果を判定するうえで必要なモニタリングは?
* Q5 急性心不全を治療する目的で使用する薬物は?
急性腎不全・電解質異常【西森茂樹】
G.急性血液浄化療法による敗血症性多臓器不全の救命例
* Q1 手術中に低血圧,低酸素血症,アシドーシスが遷延した原因はどう考えられますか?
* Q2 ICU入室時の不安定な状態に対し,どのような治療を始めますか?
* Q3 ICU入室時の検査結果です.代表的所見をあげてください
* Q4 ICU入室後,Swan-Ganzカテーテルを挿入し,循環動態を確認したうえで,ICU入室2時間半後にCHDFを開始しました.図1の経過から,CHDFの効果をどう解釈しますか?
* Q5 術後3日目に呼吸状態が悪化し,胸部X線上,著明な肺水腫像が出現しました.自発呼吸モードのまま,酸素濃度とPEEPを順次上げましたが,血液ガスは改善せず,100%酸素+PEEP 15cmH2OでもPO2 90mmHgでした.他に,呼吸状態を改善させる方法はありますか?
* Q6 組織酸素代謝を改善させるために,どのような治療を行いましたか?
* Q7 長期経過を図3に示します.炎症初見の推移と一日尿量の推移,BUN,Cre値の推移と食事内容,透析内容を関連づけて,回復過程を説明してください
呼吸不全・人工呼吸器【繁田正毅】
H.敗血症に伴うARDS
* Q1 呼吸不全の評価は?
* Q2 人工呼吸をいつ実施するべきでしょうか?
* Q3 すぐに気管挿管を実施すべきでしょうか?
* Q4 どの時点で気管挿管に踏み切るべきでしょうか?
* Q5 挿管後の換気モードは何から始めるのがよいでしょうか?
* Q6 今後の換気モードはどうしましょう?
* Q7 ウィーニング はどうしましょう?
蘇生後脳症・頭蓋内圧亢進・脳梗塞急性期【神保洋之】
I.蘇生後脳症に対する救命救急
* Q1 神経細胞が生存するために必要な脳血流量と,胸骨圧迫式心マッサージによって得られる脳血流量は正常時のそれぞれどの程度ですか?
* Q2 本例における転帰をどう考えますか?
J.血栓溶解療法の適応
* Q1 1度改善した麻痺失語が再び出現したのはなぜですか?
* Q2 入院後に施行した最初のCT検査で注意しなくてはならない所見は何ですか?
血糖異常【清田和也】
K.糖尿病が疑われる意識障害に対する治療
* Q1 アニオンギャップと血清浸透圧を計算してください
* Q2 診断と初期治療の方針は?
* Q3 肺動脈楔入圧の値から考えて脱水も補正されましたが,乏尿が持続しています.血清カリウム値も上昇傾向にあります.さてどうします?
* Q4 急性期を脱した後の治療方針は?
輸液・栄養管理【三宅康史】
L.頭部外傷,痙攣発作,意識障害で来院した低ナトリウム血症に対する輸液療法
* Q1 意識障害(Dの異常)の原因として考えられるものは?
* Q2 低ナトリウム血症の鑑別のためにどんな検査が必要ですか?
* Q3 この時点で行うべき治療はなんでしょうか?
* Q4 低ナトリウム血症の原因は何が考えられますか?
腹部救急【野内俊彦】
M.劇症肝炎に対する救命救急
* Q1 本例における劇症肝炎の病型と原因は?
* Q2 本例の劇症化予測はどのようになりますか?
* Q3 劇症肝炎の保存的治療法とその限界は?
* Q4 劇症肝炎における肝移植の条件は?
N.腸管出血性大腸菌O157:H7感染症に対する救命救急
* Q1 腸管出血性大腸菌O157:H7感染症の鑑別診断は?
* Q2 腸管出血性大腸菌(EHEC)O157:H7感染症の診断方法は?
* Q3 本例における腸管出血性大腸菌O157:H7感染症の合併症とその特徴は?
* Q4 腸管出血性大腸菌O157による溶血性尿毒症症候群(HUS)の対処法は?
鎮静・鎮痛・脳死判定【清水敬樹】
O.術中,術後に換気不全が生じ抜管後も再挿管となった頸椎症患者の一症例
* Q1 本患者の気管挿管はどのように施行すべきでしょうか?
* Q2 執刀時に生じた換気困難の原因は何と考えられますか?
* Q3 この患者の鎮静で重要なことは?
* Q4 デクスメデトミジンが鎮静に選択された理由は?
* Q5 抜管前にステロイドを使った理由は?
索 引
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