あきらめない教師たちのリアル
概要
全国学力テスト、成績ランク公開、学校監査……。そのプレッシャーのもと、子育てに困難を抱える貧困地域で、子どもたちの“ライフ・チャンス”を広げるために学校は奮闘し、確かな実績をあげる。校長と教職員たちの日常を追った、イギリス教育現場の実像。
目次
日本の読者のみなさんへ
はじめに──学校のあらたな役割
1 むらさき組の春学期──三歳児たちの学校生活
2 金のトロフィー──校長ショーンの一日
3 赤鼻の日(レッド・ノーズ・デイ)──地域の親たちとともに
4 皿の上の緑の豆──“食”の理想と現実
5 ちょっとブルー──教師たちのストレスと悩み
6 茶色の目と小さな無法者──特別ニーズ教育の取り組み
7 ホワイト・クリスマス──子どもの健康と家庭環境
8 鉛色の空もよう──学校の安全とクレーム文化と
9 Tではじまる明るい青色──教師の役割とはなにか
10 黒字になるか──学校改善ミーティングと学校理事会
11 思春期レモン──学力テストと性教育と進学と
12 虹色のお別れ会──さようならを言う日
エピローグ──監査官(インスペクター)がやってきた
[日本版付録]
アップデート・インタビュー
──その後のイギリス教育施策とイーディス・ネヴィル小学校
訳者後記──<学校>というミクロコスモス
図表資料
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■著者紹介
ウェンディ・ウォラス(Wendy Wallace)……教育ジャーナリスト。フリーランスの教育問題記者として、『タイムズ教育週報』(Times Educational Supplement)の特集主任記者を5年にわたり務める。教師研修機構の機関紙『ルーラー』の元編集顧問であり、国内の新聞・雑誌などへの寄稿多数。
2002年、教育ジャーナリスト賞(education journalist of the year)を受賞。
藤本 卓(ふじもと・たかし)
大東文化大学文学部教育学科教員(教科外教育論担当)
ロンドン大学・教育研究院客員研究員(2006年4月~2007年3月)
教育実践のレトリック論的究明を指向して、教科外教育/生活指導分野での教育方法をおもな考察対象に設定している。最近の論稿として、「悦ばしき“学び”、か?──柳田國男による『マナブ』と『オボエル』の対照のトポスについて」(『大東文化大学紀要』第46号〈人文科学〉)、「“パストラル・ケア”、その叢生と褪色──英国公教育に“生活指導”の似姿を垣間見る」(同・第47号〈社会科学〉)がある。
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