EUのガヴァナンスと政策形成
概要
▼EUにおける政策形成という観点から、貿易・環境・安全保障など各分野における課題と今後の展望を探り、EUがどのようなガヴァナンス(統治)をめざしているのか、またそれがアジア地域共同体のモデルとなりうるのかの考察をおこなった一冊。
▼EU関連書では、これまで統合の過程・機構の分析および、加盟国内外の政治的考察が中心であったが、本書は、今日的に注目される分野別の具体的な政策過程(ロビー活動含む)に焦点を当てているという点で、広い読者に参考となる一冊である。
目次
はじめに 庄司克宏
第Ⅰ部 EUガヴァナンスの課題
第1章 EUにおける市民社会概念とガヴァナンスの交差-市民社会対話は何をもたらしたか-
明田ゆかり 慶應義塾大学大学院法学研究科特別研究講師・慶應ジャン・モネEU研究センター上級研究員
第2章 EUの多言語主義と言語教育政策
譲原瑞枝 国際交流基金研究員
第Ⅱ部 EUの通商政策とガヴァナンス
第3章 WTO法とEC法の比較検討―比例性原則の与える示唆―
関根豪政 慶應義塾大学法学研究科博士課程
第4章 「超国家」と「政府間」の共存―EUの共通通商政策の現状と課題―
舒旻 早稲田大学高等研究所客員准教授
第Ⅲ部 EUの環境政策とガヴァナンス
第5章 EUの環境統合―開発協力政策への配慮を事例として
和達容子 長崎大学環境科学部准教授
第6章 日本企業とEUの関係の深化―環境リサイクル指令ロビイングを事例として
藤井敏彦 経済産業省通商政策局通商機構部参事官
第Ⅳ部 EUの安全保障政策とガヴァナンス
第7章 EU共通安全保障・防衛政策(CSDP)の現状と課題―2馬力のEUへ―
小林正英 尚美学園大学総合政策学部准教授
第8章 いわゆる「欧州連合(EU)部隊」への国際人道法の適用性―現在および将来における法的課題―
新井穣(Arai Takahashi Yutaka) ケント大学ロースクールSenior Lecturer
(訳:望月康恵 関西学院大学)
第9章 コソヴォ独立と国連・EU―介入による国家創設?―
山田哲也 南山大学総合政策学部教授
第Ⅳ部 EUガヴァナンスの対外的可能性
第10章 「アジアのリージョナリズム:欧州統合からの示唆」
福島安紀子 国際交流基金特別研究員
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