概要
〈存在の美学〉としての倫理学の試み
倫理学のテーマである人間的生の存在論的探求の問題に,美学的知見を同時に援用することによって,人間のあり方と芸術との密接不可分な存在論的関係を明らかにすることに挑んだ意欲作。
目次
序 章 〈エスト‐エティカ〉の展望――〈デザイン・ワールド〉へ
I 〈デザイン・ワールド〉の基本的デザイン
第一章 存在とデザイン――デザインのデ・サイン構造――
一 記号化される生命
二 表面の世界
三 デザインとデ・サイン
第二章 〈私〉のスタイル――スタイルと人‐間――
一 〈私〉のスタイル
二 生とできごと
三 〈私〉のスタイリスティクス
第三章 イデアリアートの構制――社会的デザイン形象――
一 「習慣」の構造
二 「価値」の存立
三 〈デザイン・ワールド〉とデザイン的形象
II 芸術美と〈仮象〉
第四章 芸術の記号論的把握――ヘーゲルの芸術論――
一 芸術的記号の創造
二 芸術作品の存在論的・認識論的性格
第五章 スタイルの詩学――ニーチェとゲーテ――
一 〈スタイルを与えること〉
二 幻想の反世界
三 大いなるスタイル
第六章 〈美〉の幻想性とスタイル――フィードラーとニーチェ――
一 美の存在性格
二 〈仮象的現実性〉=〈幻想性〉における〈美〉
三 「成功した表現」としての〈美〉
III 〈ネオ・エステティズモ〉――「美しくあること」
第七章 「人は詩人に生まれる」ことの美学――クローチェとシュライエルマッハー――
一 クローチェによる評価の概要
二 みずからの評価の擁護へ
三 美学と倫理学
第八章 エステティズモにおける芸術と生――その歴史的特質――
一 エステティズモにおける芸術と生
二 エステティズモとアイロニー
三 エステティズモのヤヌス性
第九章 〈ネオ・エステティズモ〉の世界――〈存在の美学〉――
一 芸術的グローバル化[b]
二 〈ネオ・エステティズモ〉へ向けて
三 「芸術作品」としての〈私〉
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