80年代におきた文化において、以前の文化と比較して大きく変わったこととして、ブランドブームなどのように消費行動そのものが一種の自己主張として成立するようになったことや、また、自らがどのような趣味をもち、何を買い、消費しているのかを自己主張たりえるようになったことが挙げられる。
現在においておたくとよばれる人々もこの一翼を担っている。外からは分かりにくいおたくの実像を成立過程から探り、その内実と現在の「ネガティブ」なイメージへとつながっていく背景を探る。

●序　章

●第一章　SFの流れ
　1 「SF」というジャンルの形成
　2　SFの浸透と拡散
　3　SFブームの到来

●第二章　マンガ文化の発展とコミックマーケットの成立
　1　戦後マンガの動き
　2　若者向けマンガの登場
　3　日本漫画大会からコミックマーケットへ
　4　コミックマーケットの拡大
　5　コミックマーケットの意義

●第三章　アニメ・特撮ファンダムの形成と商業メディアの成立
　1　はじまりとしての特撮ファンダム
　2　アニメファンダムの成立
　3　アニメジャーナリズムの成立
　4　雑誌の持つ意義

●第四章　おたくの誕生
　1　DAICON?と「マクロス」の衝撃
　2　DAICON?とガイナックスの成立
　3　おたくの誕生
　4　おたくの定着

●終　章　「いま」とのつながり