概要
国家福祉が主流を占める現在、チャリティはキリスト教の倫理、あるいは前近代的な遺制とみなされがちだ。しかし欧米、とくにイギリスはチャリティ大国としてその活力を保っている。なぜこの国はかくも膨大なエネルギーを注ぐのか。その歴史的前提を求めて、本書は18世紀半ば以来の百年余にわたるチャリティ実践の歴史をはじめて活写し、救貧法史や福祉国家形成史、近代化論や帝国史といった切り口では知りえない福祉社会のもう一つの源を掘り起こす。
目次
序章 偽善・不合理・前近代?——フィランスロピとイギリス
第一章 さまざまなチャリティのかたち
第一節 遺産の半永久的な運用——信託型
第二節 寄付者の民主主義——結社型
第三節 貧者の相互扶助を管理下に——友愛組合支援型
第四節 コミュニティの記憶とアイデンティティ——慣習型
第五節 善意と浪費の相克——個人型
第六節 チャリティの近代的モザイク
第二章 近代国家とチャリティ
第一節 通史にチャリティを導入する
第二節 誰が誰をどのように救うのか——救貧法の再検討
第三節 難破船とイギリス近代——海難救助の歴史
第四節 慈悲深いイギリス——帝国とチャリティ
第三章 慈善社会で生きるということ
第一節 与える人、受け取る人——階級・ジェンダー・ネイション
第二節 日常と空間
第三節 チャリティのイデオロギー
第四節 転換と持続——一九世紀後半の「投票チャリティ」論争
第五節 チャリティの自然化した社会
終章 「チャリティの近代」のゆくえ
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