本書の特色は、切り取り調査の過程で得られた元兵士の手紙や日記という記録された文書を基に、それと被害者の証言を重ねてあわせることによって、南京大虐殺の真相が立体的に見えてくるように編集されていることである。
出てくる元兵士や被害者の名も全て実名で書かれており、本書は学術的資料としても価値あるばかりでなく、過去を忘れず、将来の戒めとするための説得力に富む一書となっている。戦争を知らない世代に是非読んでほしい。