概要
和語による言語表現史上、
変革期ともいうべき院政期に、
ひときわ異彩を放つ、
源俊頼の歌や叙述を読み解くことから、
院政期の言語状況を明らかにする。
和語によって文学が生み出され
享受されるとは
いかなることであったのか。
我ハ歌ヨミニハアラズ。歌ツクリナリ。【源俊頼】
目次
序論
Ⅰ部 古歌の享受と再生
はじめに
第一章 和歌の動態--『俊頼髄脳』所収和歌の本文をめぐって--
第二章 『古今和歌集』の享受--『俊頼髄脳』から尚歯会和歌へ--
Ⅱ部 物語の受容と展開
はじめに
第三章 「王昭君」の平安朝文学史
第四章 『源氏物語』と源俊頼
第五章 『源氏物語』と院政期の歴史叙述
--『栄花物語』巻三十八「松のしづえ」をめぐって--
Ⅲ部 和歌の言語領域
はじめに
第六章 連想をよびおこす音--『散木奇歌集』における掛詞的表現をめぐって--
第七章 和語・漢語・仏教語--源俊頼の言語意識--
第八章 「和」という思想--和歌の自己同一性をめぐって--
Ⅳ部 仏教と詠歌の相関
はじめに
第九章 「釈教」と歌--『散木奇歌集』四十八願詠をめぐって--
第十章 仏典・歌詠・歌学--源俊頼における仏教享受をめぐって--
Ⅴ部 説話の言語空間
はじめに
第十一章 題詠・故事・注釈--院政期における説話と和歌--
第十二章 説話の変転と歌学--「芹摘みし」説話をめぐって--
付 一 『俊頼髄脳』所収和歌本文札記 二 関連年表 初出一覧
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