『「精神科医ドクターＨＫ」の挑戦』第2弾！
　「精神科病院に認知症の患者を入院させるべきではない」と声高らかに述べている人たちがいる。認知症の診断は医療機関で、ケアは介護保険で、といった今の流れだけでは対応できない重度認知症・対応困難な周辺症状を呈している人たちがおり、その中の5.2万人(2005年）は精神科病院に入院しているという事実を知ってか知らずか・・・。
本書は、これまであまり論じられてこなかった重度認知症の世界に目を向けた。入院させないようにするにはどうしたらよいのか、あるいは早期退院をさせるにはどうしたらよいのか、入院中の患者にどのように対応するのがよいのか。今まで目の届かなかった世界を垣間見ることのできる至高の一冊！

はじめに　
009
Ⅰ─認知症とはどのような状態なのか………… 015
認知症の分類について　0
17
Ⅱ─私の入院患者への診察法…………
023
入院時には子どもの数と名前は病歴に書いておく　
024
／診察する場所　029
／診察する時刻　
030
／
患者との距離、心に手当てする　
032
／問診は　
033
／
患者との面接の実際　
033
Ⅲ─せん妄…………
047
一般身体科医はどの程度せん妄を診断できるのだろうか　
052
／せん妄の発症要因　
056
／
せん妄予防のための４
D's
＆Ｅ　
056
／術後せん妄　
064
／
せん妄の診断基準　
067
／入院している患者のせん妄診察法　
067
Ⅳ─認知症に関心を持とう…………
075
認知症の初期症状　
076
／認知症終末期医療に関するガイドラインの策定を　
079
／
認知症の進行の予測について　
080
／認知症になった時のために　
084
／
認知症になった時のための準備
10
箇条　
087
／認知症の人はだーれ　
091
／
おしどり夫婦　
094
／あわてふためかないために心がけるべきこと　
097
／
認知症の画像診断は補助診断　
102
／薬についての幻想（１）　
105
／
薬についての幻想（２）　
109
／薬についての幻想（３）　
111
／薬についての幻想（４）　
112
／
雪の日の入浴　
114
／雪の日の遊び心　
117
／「私は患者になればよかった」　
123 ／
もう充分生きたから、あの世に行きたい　
126
／社長！　
134
／
「なにもしないもん」ということをすること　
137
／
なぜ精神科病院に入院すると落ち着くのか　特性に合った患者を入院（所）させよう　
142 ／
識者はおむつ交換の際には扉を閉め、カーテンをしてと言うが…　
148
／
家族百景　
153
／家族の心理　危機理論について　
164
／
スタッフのメンタルヘルス　
171
／男の介護は一直線　
175
／
55
歳前後の女性は家族への思い入れの手を抜いてリフレッシュしよう　
179
／
家庭も施設も介護に頑張りすぎない　
184
／
名刺　
186
／精神科医は認知症に主体的に取り組もう　189
Ⅴ─高齢者を理解する…………
195
江戸時代の高齢者の話　
197
／生きてきた時代背景　
199
／私の〝回想法〟　
203
／
〝回想法〟の続き　
209
／高齢者の特徴　
210
／高齢者への対応　
211
おわりに　
215
巻末：引用・参考文献一覧