概要
中世から近世初期の北方史研究における最重要史料『新羅之記録』について、はじめて本格的に書誌学的に考察を試み、その史料的価値を明らかにする。書名の読み方・その著者、現在知り得る全写本の収集・分類、著者が著作にあたって使用した史料、記述内容の信憑性、後世に編纂された史料に与えた影響、の5課題を設定し、綿密に考証する。
目次
序論『新羅之記録』について
第一編
第一章 『新羅之記録』の書名、著者
第二章 『新羅之記録』の各写本
第三章 『新羅之記録』の写本の分類
第二編
第一章 『新羅之記録』と新羅明神史料
第二章 安藤氏遠祖伝承に関する『新羅之記録』記事の検討
第三章 『寛永諸家系図伝』所収「松前系図」の成立過程
第四章 『寛永諸家系図伝』所収「松前系図」の検討
第五章 『松前系図 全』と『新羅之記録』
第三編
第一章 コシャマインの戦いに関する『新羅之記録』の史料的検討
第二章 『新羅之記録』の中世アイヌ蜂起関係記事の検討
第三章 『新羅之記録』にみられる近世初期の蠣崎・松前氏の中央政権との接触記事の基礎的検討
第四編
第一章 『松前年々記』における『新羅之記録』記述の影響
第二章 『福山秘府』年歴部の基礎的検討
第三章 『松前家記』の基礎的検討
補論 近代における『新羅之記録』受容の一考察
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