国民の10％が慢性腎不全（CKD）といわれる今，程度の差を問わず現場で腎機能の低下した患者を診る機会は非常に多く，そこで問題となってくるのは重篤な副作用を引き起こさないための至適な薬剤処方である．そこで本書は薬剤ごとの患者に応じた使用法・注意点をまとめ，知りたいときにどこでも情報を得られるコンパクトな構成・体裁とした．付録の携帯用ポケットカードには注意すべき薬剤をまとめるなど，現場で役立つ一冊となっている．

I章　ベッドサイドでの薬物使用法
　1　抗生物質 2
　　 1　ペニシリン系抗生物質 〔和田健彦〕　2
　　 2　セフェム系抗生物質 6
　　 3　カルバペネム系抗生物質 12
　　 4　ニューキノロン系抗生物質 15
　　 5　アミノグリコシド系抗生物質 18
　　 6　マクロライド系抗生物質 22
　　 7　クリンダマイシン 〔井上美貴〕　25
　　 8　テトラサイクリン 26
　　 9　バンコマイシン 27
　　 10　抗結核薬 29
　　 11　アシクロビル，バラシクロビル 33
　　 12　リン酸オセルタミビル 35
　　 13　抗真菌薬 36
　2　降圧薬 〔田中哲洋〕　38
　　 1　カルシウム拮抗薬 38
　　 2　ACE阻害薬 42
　　 3　アンジオテンシン受容体拮抗薬 45
　　 4　アルドステロン拮抗薬 48
　　 5　利尿薬 49
　　 6　α遮断薬 52
　　 7　β遮断薬 53
　3　循環器病薬 〔川上貴久〕　56
　　 1　ジギタリス 56
　　 2　硝酸薬 58
　　 3　プロカインアミド（Ia群 抗不整脈薬） 60
　　 4　ジソピラミド（Ia群 抗不整脈薬） 61
　　 5　シベンゾリン（Ia群 抗不整脈薬） 62
　　 6　ピルメノール（Ia群 抗不整脈薬） 63
　　 7　リドカイン（Ib群 抗不整脈薬） 64
　　 8　メキシレチン（Ib群 抗不整脈薬） 65
　　 9　アプリンジン（Ib群 抗不整脈薬） 66
　　 10　ピルジカイニド（Ic群 抗不整脈薬） 67
　　 11　フレカイニド（Ic群 抗不整脈薬） 68
　　 12　プロパフェノン（Ic群 抗不整脈薬） 69
　　 13　アミオダロン（III群 抗不整脈薬） 70
　　 14　ソタロール（III群 抗不整脈薬） 71
　　 15　ベラパミル（IV群 抗不整脈薬） 72
　　 16　ベプリジル（IV群 抗不整脈薬） 73
　　 17　抗血小板薬 74
　　 18　血管拡張薬（プロスタグランディン製剤など） 76
　4　糖尿病治療薬 〔西　裕志〕　78
　　 1　スルホニル尿素薬 78
　　 2　αグルコシダーゼ阻害薬 79
　　 3　ビグアナイド 80
　　 4　チアゾリジン 81
　　 5　速効型インスリン分泌促進薬 82
　　 6　インスリン 83
　5　高脂血症・高尿酸血症治療薬 〔熊谷天哲〕　84
　　 1　スタチン 84
　　 2　フィブラート 86
　　 3　その他の高脂血症治療薬 88
　　 4　アロプリノール 90
　　 5　プロベネシド 91
　6　消炎鎮痛薬 〔池田洋一郎〕　92
　　 1　非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs） 92
　　 2　副腎皮質ステロイド 96
　　 3　その他の消炎鎮痛薬 96
　　 4　麻薬系鎮痛薬・非麻薬系鎮痛薬 96
　　 5　片頭痛治療薬 97
　7　腎不全治療薬 〔花房規男〕　98
　　 1　球形吸着炭 98
　　 2　陽イオン交換樹脂 99
　　 3　リン吸着薬 100
　　 4　ビタミンD製剤 102
　　 5　シナカルセット 105
　　 6　ESA（erythropoiesis stimulating agents） 107
　8　消化器系薬 〔池田洋一郎〕　110
　　 1　H2ブロッカー 110
　　 2　プロトンポンプ阻害薬 112
　　 3　その他の消化器系薬 113
　9　抗アレルギー薬・抗リウマチ薬 〔三村維真理〕　116
　　 1　抗ヒスタミン薬 116
　　 2　ブシラミン 118
　　 3　金製剤 120
　　 4　メトトレキサート 122
　　 5　インフリキシマブ，アダリムマブ 124
　　 6　エタネルセプト 125
　10　免疫抑制薬 〔高野秀樹〕　126
　　 1　シクロスポリン 126
　　 2　タクロリムス 128
　　 3　シクロホスファミド 130
　　 4　ミゾリビン 132
　　 5　ミコフェノール酸モフェチル 134
　11　中枢神経系 〔村津四葉〕　136
　　 1　麻薬系鎮痛薬 136
　　 2　非麻薬系鎮痛薬 140
　　 3　ベンゾジアゼピン系 142
　　 4　フェニトイン 144
　　 5　バルプロ酸ナトリウム 145
　　 6　トリプタン 146
　　 7　アマンタジン 150
　12　抗癌剤 〔星野純一〕　152
　　 1　アルキル化薬 152
　　 2　トポイソメラーゼ阻害薬 154
　　 3　抗腫瘍性抗生物質 156
　　 4　白金製剤 158
　　 5　アルカロイド 160
　　 6　代謝拮抗薬 162
　　 7　その他（分子標的治療薬） 165
　13　造影剤 〔正路久美〕　166
　　 1　ヨード系造影剤 166
　　 2　MRI用造影剤 168
　　 3　蛍光眼底造影剤 170
　14　腎不全患者用輸液・栄養製剤 〔正路久美〕　172

II章　腎障害時の薬物動態の変化
　 1　薬物の腎排泄機構とクリアランスの変動 〔樋坂章博，鈴木洋史〕　176
　 2　血液透析，腹膜透析，持続血液濾過透析における薬物動態の変化 〔山本武人，樋坂章博，鈴木洋史〕　188
　 3　腎機能低下時の薬物投与の調整法〔大野能之，樋坂章博，鈴木洋史〕　203
　 4　薬剤による腎障害 〔大野能之，金平麻珠子，鈴木洋史〕　209

事項索引 216
薬剤名索引 218