病理学とは、病気の原因や発生機序の解明、病気の診断を目的とする医学の一分野です。具体的には、細胞や組織、臓器の標本を、肉眼や顕微鏡などを用いて検査し、それらが病気に侵されたときにどういった変化を示すかについて研究します。基礎医学の一つとして、また臨床への橋渡しとして、医学・医療系の学生は必ず学ぶ学問です。本書は、病理学の入門書として、身近なテーマを取り上げながら解説します。もちろん、シリーズ同一のコンセプトとして、詳しい理論よりも、「概要がつかめる」、「考え方がわかる」、「興味がもてる」ことを優先し、やさしく読み解いてゆきます。