概要
地球温暖化問題と、その対にあるエネルギー需給問題に着目してEU・中国などの経済実態を明らかにするとともに、CDM・炭素税など各種政策の経済効果について実証的に分析。持続可能な経済社会の実現に向けた、具体的・現実的な国際協調システム、とりわけ東アジアの共同体的アプローチを提言する。
目次
序 章 地球温暖化問題のリスクと国際環境協調
1 IPCC第4次報告書と地球温暖化問題
2 問題の所在と本書の目的
3 本書の構成と内容
第1章 京都議定書の評価とポスト京都をめぐる国際議論
1 はじめに
2 気候変動枠組条約(UNFCCC)と京都議定書の採択
3 COP3における交渉構造と京都議定書の評価
4 京都議定書発効とポスト京都議定書への議論
5 おわりに
第2章 締約国を中心としたエネルギー需要構造とその特徴
1 はじめに
2 エネルギーからみるEUの地域特性
3 EUのエネルギー政策と域内貿易
4 地域別CO2排出要因とEUの国際的コミットメント
5 EUの目標達成に向けた具体的取り組み
6 おわりに
第3章 途上国の環境・エネルギー問題と持続可能な発展シナリオ
1 はじめに
2 中国経済の成長とその要因
3 中国の社会的プレッシャーとエネルギー制約問題
4 地球環境問題からの制約条件
5 おわりに
第4章 EU提案型戦略的貿易措置と京都議定書の補完性
1 はじめに
2 理論的背景と分析モデル
3 EUと米国(中国)のエネルギー効率の比較と限界費用
4 EUの域外炭素税がもたらす経済と環境への影響
5 おわりに
参考資料4.1 生産技術の国際移転効果
第5章 国境税調整がもたらす国際環境影響効果
1 はじめに
2 分析の枠組みとデータ
3 EUの貿易動向とその特徴
4 国境調整税と炭素リーケージ
5 おわりに
第6章 京都メカニズムとしての排出権取引スキームの実態とその課題
1 はじめに
2 排出権取引制度の役割とCOPでの議論
3 国際排出権取引市場の形成と動向
4 クレジット価格の動向と変動要因
5 国際排出権取引市場への展望
6 おわりに
第7章 CDMスキームの理念と運用における多様性
1 はじめに
2 CDMスキームの基本概念
3 CDMプロジェクトの便益とリスク
4 CDM実施における多様性
5 おわりに
参考資料7.1 クリーン開発メカニズムプロジェクト運行管理弁法
第8章 ポスト京都に向けた新たなCDMスキームの構築
1 はじめに
2 不確実性下における情報仲介者介入モデル
3 日中韓における多国間CDMスキーム
4 おわりに
終 章 環境・エネルギー問題への共同体的アプローチ
1 アジア型の経済発展と環境制約
2 アジアの複合型環境問題への対応とその限界
3 アジアの持続可能な発展と共同体形成の枠組み
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