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現代線形代数

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著者/訳者名

池辺八洲彦・池辺淑子・浅井信吉・宮崎佳典 著

出版社 共立出版
発行年月日 2009年04月09日
ISBNコード 9784320018815
定価 ¥4,730(税込)

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概要

 本書は,数個の重要な分解定理を中心に,線形代数(行列論)の基礎を頭に入りやすい形に整理し直しており,線形代数を一から学ぶだけでなく,一度学んだ線形代数の知識を再整理し,さらにより進んだ知識を蓄えることができる書となっている。行列計算は理工学における計算のみならず,経済・経営分野における応用統計計算など広大な応用をもつことが知られているが,本書の内容はこの点にもよく配慮して決められており,新鮮かつ最近の話題を多く含む。また,現代行列計算の専門書を読むために必要十分な基礎知識も網羅している。
 細部の特徴をいくつか挙げれば,従来やや手の込んだ証明法やわかりにくい説明法がなされてきたエルミート行列固有値摂動定理,一般行列関数の定義法を,ごく少量の初歩的知識のみを使った新鮮な証明法と説明法で置き換えた。また,一般化特異値問題への面白い応用をもつCS 分解の導出と応用例の解説は,執筆時点において本書以外には原著論文に簡潔な形で存在するのみである。また,解析学からの基礎知識,とくに有限次元ノルム空間の基礎的事項は,行列計算の理解に必要となるので,話題を精選の上,丁寧な解説を行っている。

目次

第1章 行列算
1.1 例から入門
1.2 行列の言葉
1.3 行列の相等
1.4 行列の和とスカラー倍
1.5 積
1.6 単位行列
1.7 分配則と積の結合則および拡大結合則
1.8 逆行列
1.9 積の逆行列は逆行列の逆順の積
1.10 転置
1.11 和,スカラー倍,積および逆行列の転置
1.12 共役と共役転置
1.13 和,スカラー倍,積および逆行列の共役,共役転置
1.14 ブロック行列
1.15 ブロック行列の積
1.16 ブロック行列の転置
1.17 ブロック行列の和とスカラー倍

第2章 ベクトル空間と線形写像
2.1 行列算総括
2.2 ベクトル空間の公理
2.3 簡単な結果
2.4 ベクトル空間の例
2.5 集合論から Part I―写像―
2.6 線形写像
2.7 線形写像の例
2.8 1次方程式 Ax =b
2.9 1次結合
2.10 1次独立性と1次従属性
2.11 線形代数の基本定理
2.12 部分空間
2.13 スパン
2.14 線形写像の零空間(核)と値域
2.15 基底
2.16 次元
2.17 基底に関する定理
2.18 線形写像の行列表現
2.19 座標変換と分解定理
2.20 集合論から Part II―同値関係と同値類―

第3章 線形代数の概要
3.1 同値分解
3.2 LDU分解
3.3 行列式
3.4 内積
3.5 QR分解
3.6 シュア分解
3.7 ジョルダン分解
3.8 特異値分解
3.9 CS分解
3.10 ノルムと収束
3.11 演算子ノルム
3.12 条件数
3.13 行列とグラフ
3.14 注意事項

第4章 同値分解とLDU分解 Part I―導出
4.1 同値分解
4.2 LDU分解
4.3 ガウスの消去法によるLDU分解 Part I
4.4 ガウスの消去法によるLDU分解 Part II
4.5 階数の一意性
4.6 LDU分解の一意性

第5章 同値分解とLDU分解 Part II―応用

5.1 過少決定系は非零解を持つ(線形代数の基本定理)
5.2 過剰決定系は一般に可解でない
5.3 逆行列存在の必要十分条件
5.4 階数の特徴づけ
5.5 Ax =b 型行列方程式の可解必要十分条件
5.6 値域と零空間
5.7 階数の同値な定義
5.8 次元定理
5.9 LDU分解の行列方程式解法への応用

第6章 行列式
6.1 行列式の定義
6.2 偶置換と奇置換
6.3 置換に互換を行うと偶奇性が反転する
6.4 定義式による行列式計算例
6.5 ゼロ行またはゼロ列を持つ行列式の値は0に等しい
6.6 転置をとっても行列式の値は変わらない:det A T = det A
6.7 行列式は各行,各列について線形である(多重線形性)
6.8 相等しい2行また2列を持つ行列式の値は0に等しい
6.9 2行または2列を互換すると行列式の符号は反転する(交代性)
6.10 任意行(または列)のスカラー倍を他行(または他列)に加えても行列式の値は変わらない
6.11 積の行列式は行列式の積に等しい
6.12 可逆性と行列式の非零性は同値である
6.13 行列式の特定の行または列による展開
6.14 逆行列の公式
6.15 クラメールの公式
6.16 ラプラス展開
6.17 ビネ・コーシー展開
6.18 3次行列式は平行六面体の符号付体積を表す
6.19 ベクトル積(外積)

第7章 内積
7.1 内積の公理
7.2 正定値行列
7.3 内積の行列表現
7.4 正規直交系に関する補題
7.5 グラム・シュミット法
7.6 直交補空間
7.7 コーシー・シュワルツの不等式と三角不等式
7.8 平行四辺形の法則

第8章 シュア分解とQR分解 Part I
8.1 固有値と固有ベクトル
8.2 固有値問題入門
8.3 相似変換
8.4 ユニタリ行列,反射行列(ハウスホルダー行列)
8.5 QR分解
8.6 複素行列のシュア分解
8.7 実行列のシュア分解
8.8 エルミート行列はユニタリ相似変換によって実対角化できる
8.9 シュア分解により対角化可能な行列は正規行列である
8.10 2次形式
8.11 ケイリー・ハミルトンの定理
8.12 トレースと固有値局所化定理

第9章 シュア分解とQR分解 Part II
9.1 エルミート行列とレーリー商
9.2 単調定理
9.3 分離定理(コーシーの入れ子定理)
9.4 クーラン・フィッシャーの定理
9.5 ゲルシュゴーリンの定理
9.6 連成振動解析
9.7 3つの重要不等式
9.8 レーリー商と固有値近似
9.9 2次直交行列の標準形
9.10 3次直交行列の標準形

第10章 ジョルダン分解 Part I
10.1 ジョルダン分解の一般形
10.2 ジョルダン分解の構造
10.3 1次独立性に関する補題
10.4 単一固有値を持つ行列のジョルダン分解 Part I
10.5 単一固有値を持つ行列のジョルダン分解 Part II
10.6 異なる固有値を持つ行列のジョルダン分解

第11章 ジョルダン分解 Part II
11.1 M 演算
11.2 多項式 P (A )
11.3 分数関数 P (A )Q -1(A )
11.4 コーシーの積分公式
11.5 行列冪(ベキ)級数
11.6 定係数線形微分方程式への応用 Part I
11.7 定係数線形微分方程式への応用 Part II

第12章 特異値分解
12.1 特異値分解定理
12.2 ベクトル2ノルム
12.3 ノルム空間
12.4 行列ノルム(演算子2ノルム)
12.5 演算子ノルムの性質
12.6 階数分析への応用
12.7 行列方程式への応用
12.8 最小自乗法への応用

第13章 CS分解
13.1 ページ・サンダース型(P-S型)CS分解
13.2 P-S型 CS分解の証明
13.3 p ≧m ≧k の場合
13.4 正射影
13.5 部分空間の間の距離
13.6 AB -1型行列の特異値分解

第14章 ノルム
14.1 線形写像の有界性と連続性
14.2 展開係数の有界性
14.3 有限次元ノルム空間に関する3つの性質
14.4 有限次元ノルム空間上の線形写像
14.5 演算子ノルム
14.6 演算子ノルムの性質
14.7 演算子ノルムの応用例
14.8 ハーン・バナハの定理
14.9 ハーン・バナハの定理の応用例

第15章 行列とグラフ
15.1 行列のグラフ
15.2 強連結成分
15.3 頂点番号の付け替えは置換行列による相似変換に対応する
15.4 強連結性と既約性は同値である
15.5 グラフが強連結な優対角行列は可逆である
15.6 行列方程式への応用

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