概要
犯罪の原因調査から捜査の支援、犯罪者や非行少年の矯正や被害者へのカウンセリング、防犯対策など広い分野を扱う「犯罪心理学」の入門書です。犯罪心理学は、犯罪についてのさまざまな調査データや実験データ、犯罪者の心理査定データなどを統計などの技法を使用しながら解析していく実証科学です。本書では、犯罪心理学の歴史、考え方、研究成果などを具体的な犯罪事例を交えながら紹介します。また、犯罪の原因や特性、プロファイリングの方法、犯罪者の立ち直りの支援など犯罪心理学の基礎がやさしくわかります。
目次
第1章 犯罪心理学とは何か?
1-1 犯罪心理学が扱う分野はこんなに広い
1-2 犯罪を巡る人間科学
1-3 心理学で犯罪の原因を探っていく~犯罪原因論
1-4 心理学を使って犯罪捜査を支援する~捜査心理学
1-5 裁判プロセスを心理学を用いて分析~裁判心理学
1-6 犯罪者を立ち直らせるための心理学~矯正心理学
1-7 犯罪心理学研究法1 調査、臨床、フィールドワーク
1-8 犯罪心理学研究法2 相関関係、因果関係
コラム 犯罪心理学を学ぶには
1-9 犯罪心理学の歴史1 犯罪者は猿?
1-10 犯罪心理学の歴史2 体格と犯罪
1-11 犯罪心理学の歴史3 犯罪は遺伝するか
1-12 犯罪心理学の歴史4 犯罪者の処遇の歴史
コラム 催眠で人が殺せるか?
第2章 犯罪の原因を生物学的に探る
2-1 男性ホルモンが多いと犯罪傾向が強くなる?
2-2 犯罪の原因はニューロンにあるのか?
2-3 左利きに犯罪者が多い!?
2-4 自律神経系の働きと攻撃行動の関係
2-5 犯罪行動は遺伝するか~双生児法による研究
2-6 犯罪行動は遺伝するか~養子法による研究
2-7 2タイプの非行少年~モフィットの非行発達理論
2-8 女性は本当に男性よりも攻撃的でないのか?
2-9 酒を飲むと人は暴力的、攻撃的になるのか?
2-10 妊婦のアルコール・たばこ摂取と子どもの攻撃性
2-11 気温、混雑と攻撃行動~暑いと殺人は増えるか
コラム ロバート・ケネディ暗殺の謎
第3章 犯罪の原因を心理・社会学的に探る
3-1 家庭環境と犯罪~非行少年を作り出す家庭とは
3-2 若い親の子どもは非行に走りやすい?
3-3 非行少年の友達は非行少年になるのか?
3-4 都市構造と犯罪~非行少年を生み出す地域特性
3-5 夢達成の機会が不平等な状況で犯罪は生まれやすい
3-6 犯罪や非行は学習される~分化的接触理論
3-7 なぜ非行文化は社会規範と逆になるのか?
3-8 犯罪を行わないのはなぜ?~ボンド(絆)理論
3-9 アルバイト・男女交際は非行のきっかけ?
3-10 不良と呼ばれるから不良になる?~ラベリング理論
3-11 ちょっと非行をやってみる~漂流理論と中和の技術
3-12 追跡調査で非行の原因を探る~縦断的発達研究
3-13 来日外国人と犯罪~文化の接触は犯罪を生む!
3-14 暴力的映像やゲームは犯罪を促進するか?
3-15 ポルノは犯罪を促進するか?
3-16 体罰は子どもを暴力的、攻撃的にするのか
3-17 敵意帰属バイアスと攻撃プライミング
3-18 自己愛(ナルシシズム)傾向と攻撃行動
3-19 自己コントロールとセンセーションシーキング
3-20 動物虐待と犯罪
コラム 冷戦と後催眠暗示によるテロ作戦
第4章 ここまでわかった!さまざまな犯罪の特性
4-1 原因の多くは「カネ」か「愛」~殺人
4-2 宮勤事件が一つの典型例~連続殺人
4-3 連続殺人の動機は妄想、誤った使命感、快楽
4-4 黒い未亡人と死の天使~女性による連続殺人
4-5 世界的に有名なケースは日本で起きた~大量殺人
4-6 絶望、そして「拡大した自殺」としての大量殺人
4-7 学校関係者は全員が敵~学校における銃乱射
4-8 テロ集団の動きを予測して対抗する~テロリズム
4-9 発生が危惧される生物化学テロリズム
4-10 攻撃性は最も弱い存在に向かう~子どもの虐待
4-11 「代理によるミュンヒハウゼン症候群」とは?
4-12 人間心理の弱点をついた犯罪~振り込め詐欺
4-13 放火癖は子どもの頃から芽生える~放火
4-14 統計に表れにくい~デートレイプ・知人間レイプ
4-15 見ず知らずの女性を襲う~ストレンジャーレイプ
4-16 犯人の7割は10~30代~子どもに対する性犯罪
4-17 露出犯の活動のピークは20~30歳代!?
4-18 その動機は4種類に分けられる~ストーキング
4-19 不安定な社会情勢を背景に急増する高齢者の犯罪
コラム 後催眠暗示で人を殺すためには
第5章 犯罪捜査に活かされる心理学
5-1 プロファイリングの誕生
5-2 犯行状況を分類するFBI方式のプロファイリング
5-3 数学で犯人を推定するリバプール方式
5-4 犯人の住居を推定する~地理的プロファイリング
5-5 次はどこか──犯罪地点を予測して待ち伏せする
5-6 犯人の危険性を推定する
5-7 動作からウソを見破ることはできるか?
5-8 ウソ発見器(ポリグラフ検査)は信用できるの?
5-9 脳の活動からウソを見破る(中枢ポリグラフ検査)
5-10 子どもと高齢者の目撃証言がはらむ問題点
5-11 目撃者の記憶は事後情報によって変化する
5-12 にせの記憶が作られる~フォールスメモリー
5-13 犯人の顔を再現する~似顔絵とモンタージュ写真
5-14 「あなたを襲った犯人はこの中にいますか?」
5-15 人質交渉のテクニック~交渉人の本当の技術とは
5-16 人質を奪還し犯人を制圧する~突入の意思決定
5-17 催眠で事件の記憶を思い出させることはできるか
5-18 超能力を犯罪捜査に使うことはできるのか
コラム コンピュータチップで脳を操る
第6章 犯罪者、非行少年の立ち直りを支援する
6-1 犯罪者はこう処遇される
6-2 非行少年はこう処遇される
6-3 少年司法制度の理念とは
6-4 少年警察活動とは
6-5 精神鑑定はどんなときに行われるのか
6-6 非行少年の心理を分析するさまざまな方法
6-7 ロールシャッハテスト~心のレントゲン写真か?
6-8 HTPテスト~描画から心理を探る
6-9 視点取得トレーニングと怒りのマネジメント
6-10 子どもに対する性犯罪者を治療する取り組み
6-11 性犯罪者個人情報公開制度と電子監視
コラム ストーカーの恐ろしさを実感する映画
第7章 犯罪を防ぎ、被害者を救うために
7-1 犯罪が起こりやすい環境を改善する試み
7-2 都市計画・住居デザインで犯罪を防ぐ
7-3 落書きを消して犯罪防止~ニューヨーク地下鉄の例
7-4 街頭防犯カメラの防犯効果と問題点を探る
7-5 コンビニエンスストアの強盗を防ぐ7つの対策
7-6 子どもへの性犯罪を防止するための地域活動
7-7 子どもを人間不信にさせない防犯教育とは
7-8 地域安全マップ作り運動の効果を高めるには
7-9 目の前で人が襲われていても助けない心理とは
7-10 裁判員制度がはらむ心理学的な問題点とは
7-11 PTSDと被害者カウンセリング
コラム 最先端の科学捜査とテレビドラマ
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