『源氏物語』享受史の研究付 『山路の露』『雲隠六帖』校本
概要
『源氏』は以後の人々に
どのように受けとめられたのか?
〈あるべき『源氏物語』の姿〉を追求するにあたって、〈創作〉という形をとった、『源氏』享受資料中特異な存在である『山路の露』と『雲隠六帖』。『源氏』の続編とも言うべきこの二作品を、伝本の問題を中心に解読する。また近世期『源氏物語』はすでに五十四帖という枠組みが出来ていたにもかかわらず、なぜこの二作品で、それを打ち崩すような出版が行われていたかなど、『源氏』享受史のなかの続編二作品の位置付けを目指す書。
『山路の露』と『雲隠六帖』の校本を収録。
(『雲隠六帖』は著者が発掘した堀田文庫蔵本を底本とした)
複雑で多様な中世『源氏』享受の実態を探る。
目次
序章
第一章 『山路の露』論
第一節 伝本二類の相互関係
第二節 二類本の派生とその性格
第三節 小君と右近の造型
第四節 浮舟の造型と物語構成
第二章 『雲隠六帖』論
第一節 伝本二類の相互関係
第二節 二類本の伝流と享受
第三節 伝本二類各本文の特色
第四節 成立の背景と物語の性格
第三章 続編二作品の流布と享受
第一節 中世『源氏物語』享受資料における続編
第二節 近世『源氏物語』享受資料における続編
第三節 版本『雲隠六帖』付載注釈書の性格
第四節 近世における『山路の露』享受の一様相
結 章
【資料編】
『山路の露』校本
『雲隠六帖』校本
あとがき
索引
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