妊娠期から産後1年における母親の抑うつに関する縦断的研究
概要
妊娠中から産後1年に5回にわたる縦断調査を行い、抑うつの発生、推移、回復について、子育てへの影響についてなどを検討し、予防や介入についての示唆を得た。
目次
第1章 序論
はじめに
1-1 抑うつとは
抑うつの定義
抑うつの認知モデル
1-2 産後の抑うつとは
産後の抑うつの症状
産後の抑うつの発症率と発症時期
マタニティブルーとの区別
妊娠期の抑うつ
産後の抑うつに関するリスク要因
1-3 産後の抑うつが子どもや家族に与える影響
抑うつの母親の子どもとのやりとりの特徴
新生児期における影響
乳幼児期における影響
夫の抑うつ
1-4 産後の抑うつの治療・介入
妊娠中の介入
薬物・カウンセリングによる介入
行動レベルへの介入
日本における産後の抑うつへの取りくみ
1-5 先行研究に残された課題
妊娠期の抑うつの検討
妊娠期の抑うつと産後の抑うつの関連
出産経験別の検討
抑うつの開始と回復について
産後の抑うつと他の時期の抑うつの異同について
縦断研究の必要性
1-6 本論文の目的と構成
本論文における産後の抑うつの定義
本論文の目的と構成
本論文の特徴
第2章 方法
2-1 調査時期
2-2 調査方法
2-3 調査対象
2-4 調査内容
2-5 倫理的配慮
2-6 ドロップアウトした対象の検討
2-7 分析方法について
共分散構造分析(covariance structure analysis)
共分散構造分析に用いる指標
2-8 使用した変数の記述統計量
第3章 妊娠期の抑うつと胎児への感情に関する要因
3-1 問題
妊娠中の抑うつと産後の抑うつとの関係
妊娠中の抑うつと胎児への感情に関する要因
3-2 方法
分析対象
分析に用いた変数
3-3 結果
社会的属性および妊娠に関する変数の検討
妊娠週数による各変数の比較
EPDS得点と測定した変数との相関分析
仮説モデルの検討
3-4 考察
社会的属性および妊娠に関する変数と妊娠中の抑うつについて
妊娠中のEPDS得点について
仮説モデルについて
第4章 妊娠期から産後1年までの変数の推移と変数間の関係:出産経験による検討
4-1 問題
4-2 方法
分析対象
分析に用いる変数
4-3 結果
出産経験別抑うつの割合
変数の産後1年間の推移及び出産経験による比較
変数間のクロスラギッド相関分析
4-4 考察
抑うつに関する変数の産後の変化について
初産婦と経産婦の比較
変数間の時間軸に沿った影響について
第5章 産後の抑うつに関与する要因
5-1 問題
5-2 方法
分析対象
分析に用いる変数
5-3 結果
各時期の抑うつに関する要因の検討
自己没入と妊娠期の抑うつの交互作用の検討
5-4 考察
初産婦のリスク要因
経産婦のリスク要因
第6章 産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討
6-1 問題
抑うつに関する要因の検討
抑うつと養育態度に関する検討
産後の抑うつと他の時期の抑うつに関する検討
6-2 方法
分析対象
分析に用いる変数
6-3 結果
抑うつ,自尊感情,自己没入,愛着安定,夫婦関係,家事負担感,対児感情の相関分析
養育態度を従属変数とした階層的重回帰分析
産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討
6-4 考察
初産婦を対象にした仮説モデルの検討
抑うつへの脆弱性と産後の抑うつについて
第7章 産後の抑うつの回復に寄与する要因
7-1 問題
産後の抑うつの開始と推移
産後の抑うつの推移に関する要因
7-2 方法
分析対象
分析に用いる変数
7-3 結果
妊娠期から産後1年までの抑うつの推移
抑うつ継続群・回復群・非抑うつ群の比較
抑うつの回復に寄与する要因の検討
7-4 考察
産後1年までの抑うつの割合の変化
抑うつに関する要因の産後1年間の変化
回復群と非抑うつ群を分ける要因
抑うつ継続群と非抑うつ群を分ける要因
抑うつ継続群と回復群を分ける指標
抑うつからの回復に寄与する要因
第8章 総合的考察
8-1 各章から得られた知見
「3章 妊娠期の抑うつと胎児期への感情に関する要因」より得られた知見
「4章 妊娠期から産後1年までの変数の推移と変数間の関係:出産経験による検討」より得られた知見
「5章 産後の抑うつに関与する要因」より得られた知見
「6章 産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討」より得られた知見
「7章 産後の抑うつの回復に寄与する要因」より得られた知見
8-2 産後の抑うつに関する要因について
母親の特性要因
夫婦関係の親密性
出産準備性
8-3 本論文で明らかになったこと
妊娠期から産後1年までの抑うつとそれに関する要因の検討
抑うつと養育態度について
産後の抑うつの継続,回復に関する要因
8-4 予防・介入に関する示唆
社会的なシステムの改善
妊娠前への介入
妊娠中の介入
出産後の介入
英国における介入
領域を超えた連携の必要性
8-5 本研究の限界および今後の課題
引用文献
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