概要
1990年代、ヨークベニマルの経営者が社内に向かって「本気で」発した言葉は、「これからのスーパーマーケット」の指針である。
目次
まえがき
・マスコミの登場しないスーパーマーケット企業
・ヨークベニマルの経営はどう構築されているのか?
<第1章>
「ヨークベニマル」とは?
―「高い買上点数」を支える独特の「企業文化」
・ お客さまは買ってくれないものと覚悟すべし
・「“仕組み”によるビジネスモデルを構築したかった」
・ 4人4様の「経営と商売にかけては第1人者」
・ イトーヨーカ堂をベンチマークし続けての「成長」
・「1店舗当たりの年間売上高」こそ、最大の強さ
・「買上点数」には「店の自助努力」がてきめんに出る
・ 押し付けをせず、人の気持ちを離さなかった
・「姿・形をがらりと変え働く従業員の意識を変える」
・「売れるから仕事が面白くなる。自主的になれる」
<第2章>
故大高善二郎前社長
1990年代の「社内発言」
―謙虚に学び、「ヨークベニマルの歌」を歌う
1993年1月「初春方針説明会」
上司からの押し付けでない風土にしなければならない
コラム●ヨークベニマルの単品管理の具体例-A店舗の加工食品売場の改善事例
1993年4月「業績検討会議」
異質の競争をしなければならない
1993年8月「本部朝礼訓示」
「考える人とやる人」を区別する会社は駄目になる
1994年2月「組織発表会」
ヨークベニマルは「未完の大器」でありたい
1994年11月「店長会議」
「ライフスタイルアソートメント」に興味を示すお客さま
1995年3月「全体コミュニケ」
「家庭で作ったことのないメニュー」の提案を考える
1995年10月「朝礼」
「青果」から始まって「惣菜」で終わるやり方でいいのか?
1996年1月「全体朝礼」
モノを並べて流すだけの取次屋になってしまっていないか
1996年7月「著者との個別ミーティング」
使い勝手のよい業種の組み合わせは何か?
1996年9月「役員会」
10年スパンで「乗り物」を変えなければならない
1997年3月「全体朝礼」
創造的な仕事をしてもらうためにどんな手伝いができるか
1997年4月「役員会」
「どれとして同じものがない」という軸を基本とせよ
1998年1月「役員懇談会」
日本人はアメリカ人と違って視覚で買物をする
1998年1月「本部朝礼」
追いつかれたらまた半歩先を歩けばいい
1998年2月「行為計画発表会」
お客さまは「不特定多数」ではなく「特定多数」だ
<第3章>
大高善興現社長
1990年代の「社内発言」
―厳しい選択をするのがわれわれのやり方のはずだ
1993年1月「本部朝礼」
簡単に「会社のやり方を変えられる」と思っては間違う
1993年6月「本部朝礼」
今夜から7日間のメニューが脳裏に焼き付くような
1994年8月「本部朝礼」
ヨークベニマルは「エブリデイライフ提案業」である
1995年3月「著者との打ち合わせ」
競争を回避していたのでは成長できない
1998年1月「年頭訓示」
社員の「なんとかしよう」という意気込みが会社の財産だ
1998年4月「役員会」
リフレッシュの真の目的は人であり、商品そのものである
ヨークベニマルの「売場」にて
小売業は農業そのものであり、農耕民族である
<第4章>
ヨークベニマル
役員会ドキュメント
―なぜ、そのような姑息な方針提案をするのか理解に苦しむ
毎週月曜日午前10時30分開催、「根回し」は一切禁止
ケース1 「生活情報誌発刊」の提案
すべてのコストはお客さまが負担していることを忘れるな
ケース2 「新規開発物件賃貸借契約および補償に関する覚書締結」の提案
相手の報酬を値切っても将来にはつながらない
ケース3 「既存店がドミナントを形成するエリアでの新店コンセプト」の提案
商品面の新しい取り組みなくして新店成功はあり得ない
ケース4 「スクラップ&ビルドによる旧型店舗閉鎖に伴う方針」の提案
「ベニマルの近くで商売しても利益が出ない」と思わせよ
ケース5 新しいエリアの開発戦略(栃木県エリアのドミナント戦略)の提案
従来型の店舗をつくり続けるなら店舗開発部は不要だ
コラム●最大の繁盛店、「自前化」の顛末
「明日からの私たちの生活をどうしてくれるのか!?」
ケース6 「鮮魚部門で鮮魚カテゴリーキラー専門店N社から経営指導を得る」提案
他社はすぐ追いつくだろうが、さらに研究すればいい
ケース7 「山形県天童店の事業収支と開店計画」の提案
それだけ変化している銀行の対応を学ぶ必要がある
ケース8 「北関東販売事業部2店舗活性化計画」の提案
衣料部門は確かに苦戦だが、本当にそうだろうか?
<第5章>
ヨークベニマルの「売り方」
―「店長平台」「おでん祭り」、そして「感動・創造と挑戦の祭典」
・私たちの仕事は「加工業」で、“原料”にこだわる
・味・価格は従来以上に良く、安価であること
・ヨークベニマル「店長平台」の仕組み
・スーパーマーケットの現場でしかできないこと
・ヨークベニマルの「感動・創造と挑戦の祭典」の中身
・発表者 A店鮮魚担当 山下久美子さん(仮名)
テーマ「マグロ売上高前年比150%への挑戦」
・発表者 B店デイリー担当 佐藤頼子さん(仮名)
テーマ「パン分類の数値改善」
・「失敗してもチャレンジすることが大事」という風土
・トコトン買ってもらう売場の仕掛けが抜きん出ている
・「どの山に登るか」を決めるのがトップの仕事
・「やるべきことをやろう」という言葉を忘れた組織に明日はない
あとがき
「どうしましょうか?と言って社長のところに来るな! こうしたい、と言うなら聞こう」
解説
求められる流通業の独自競争力と「ヨークベニマル」
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