概要
朝鮮の近代はどのように成立したのか――19世紀後半から1919年の三・一独立運動までを対象にして、朝鮮開化思想の特質を捉え,清・日・露との関係におけるナショナリズムの展開,それに関わる政治文化の実態を考察する.ネイションとしての「朝鮮民族」「韓国人」などの形成を明らかにし,東アジア史に新たな視点を示す意欲作.
目次
序 章 朝鮮開化思想研究の歴史と課題
第一部 朝鮮開化思想の形成と兪吉濬
第一章 朝鮮における国民国家創出論の形成──兪吉濬の対外観と「国民」創出論
第二章 朝鮮開化思想の構造──兪吉濬『西遊見聞』の文明論的立憲君主制論
第三章 保護条約以後の「実力養成運動」の論理と活動──兪吉濬と漢城府民会を中心に
第二部 日清戦争前後の朝鮮ナショナリズム
第四章 大韓帝国成立前後の対外的態度──外交儀礼を中心に
第五章 独立協会の「国民」創出運動──新たな政治文化の誕生
第六章 『独立新聞』における「自主独立」と「東洋」──近代朝鮮におけるアジアと脱亜
第三部 近代朝鮮のナショナリズムと政治文化
第七章 近代朝鮮の開化運動における文明と民衆──民俗文化と近代
第八章 保護国期における朝鮮ナショナリズムの展開──伊藤博文の皇室利用策との関連で
第九章 「愛国啓蒙運動の文明観・日本観」再考──近代朝鮮ナショナリズム研究の視点
終 章 まとめと展望
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