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ドルリスク

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著者/訳者名

吉川雅幸 著

出版社 日本経済新聞出版社
発行年月日 2009年02月01日
ISBNコード 9784532194826
定価 ¥765(税込)

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概要

サブプライムローン禍に端を発した世界的な金融危機は、基軸通貨ドル体制の終焉へと広がるのか。それともオバマ新政権のもと、ドル体制の再興が図られるのか? 09年以降のドルのリスクシナリオを加筆、文庫化。

将来のドル不安の可能性をどの程度真剣に考えるべきか。データに基づき、国際資本移動と主要国経済やマーケットの動きを重ね合わせ冷静に考察。

目次

まえがき

序章 グリーンスパンVS.バフェット
 「双子の赤字」論争
 「ドバイG7」が転換点に
 本書の構成

第1章 ドルの足下は揺らいでいる
 1 米国の経常赤字をどうみるか
    規模は歴史的水準に
    赤字相手国は全世界に広がる
 2 複雑な国際収支と為替市場の関係
    国際収支から為替市場を分析する際の覚え書き
    国際収支の四項目
    分析のフレームワークと実例
 3 ドルリスクを映す国際資本移動
    二度目の大サイクル?
    危機からアメリカンバブルへ(95年~2001年のドル高進行期)
    米一極集中からブロック化(2002年以降のドル安期)

第2章 米国経済は砂上の楼閣か
 1 ミレニアムにかけてのブームと崩壊
    相乗効果を強めた株価急騰と高成長
    回避できなかった「根拠なき熱狂」
 2 ニューエコノミー論の光と影
    ニューエコノミーとは何だったか
    なぜ過剰が発生したのか
 3 米経済の復活と「双子の赤字」急拡大
    ブーム後の景気後退とすばやい復活
    小さくなかった後遺症
    大不況を回避させた家計需要と財政
    低金利がもたらした住宅金融の“高速回転”
    超拡張的になったブッシュ財政
    歪んだ貯蓄投資バランス

第3章 ドルの呪縛から逃れようとする欧州
 1 発足直後にニューエコノミー・バブルに巻き込まれたユーロ
   「世界の投資銀行」になった欧州
    欧州通貨統合が「プッシュ要因」
    財政緊縮・金融緩和のポリシーミックス
    市場統合の衝撃
    ユーロ紙幣導入もユーロ安要因だった?
 2 「過渡期」の終わり
    逆転した「短期借り・長期貸し」構造
    巨額ロス発生の「記憶効果」
    ユーロ国際化の兆し
 3 ドルからの離脱という苦悩
    ドル・ユーロの振れ幅は大きくなる
    ユーロ圏自身の問題点

第4章 米国を支える「ドル・ブロック」アジア
 1 米経済の軟着陸を支えたアジアの公的資金
    欧州資金を代替したアジアの外貨準備
    介入による赤字埋め合わせが米長期金利を抑制
    経常・貿易黒字と株式投資でアジアに還流
    フィードバック効果を飛躍的に高めた米国のドル安容認
 2 アジアが「双子の黒字」を出す背景
    未曾有の規模に膨らんだ介入
    金融システム不安とデフレが根本要因
    結果的に同時進行した量的緩和と大量介入
    通貨危機に学んだアジア新興諸国
    教科書通りの変動相場制にはならず
    歪み強まる中国の国際収支
 3 ドル買い支えの限界
    大きかったリフレ効果
    きしみ始めたドル・ブロック
    ドルの小康に潜むリスク

第5章 ドルリスクは消えていない
 1 ドル本位制の機能不全
    80年代の「双子の赤字」がドル危機につながらなかった理由
    ドル本位体制の調整メカニズム
    日独の資産価格上昇が効く
    今回は「幸運」がない?
 2 米財政赤字の削減は困難
    消えた「平和の配当」
    「五年間で財政赤字半減」は可能なのか
 3 ドルをめぐる四つのシナリオ
    問われる「米国の世紀」の持続性
    シナリオ1緩やかな均衡回復とドル本位制継続
    シナリオ2赤字ファイナンス継続とドル高
    シナリオ3保護主義傾向の強まり
    シナリオ4ドル安加速
    無視できないリスクシナリオ

第6章 「大いなる安定」から「100年に一度の危機」へ
 長期金利の謎と国際資本移動の急拡大(2005~06年)
 流動性急増の背景
 分散効果への過信と不十分だった情報開示
 「100年に一度の危機」へ(2007~08年)
 金融危機下の国際資本移動とドル
 悪化する米国ファンダメンタルズとドル
 シナリオの再検討

参考文献

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