概要
行為を伴うと記憶が向上するのはなぜか?
記憶の中でも特に高次で,人において最も発達している過去の出来事の記憶(エピソード記憶)と,我々が普段なにげなく行っている運動行為の相互作用についての貴重な研究成果。
目次
はじめに
第1章 行為を伴うと記憶成績が向上するのはなぜか?
―これまでの研究と課題―
1-1.エピソード記憶(episodic memory)
1-2.行為とエピソード記憶
1-3.実演効果の特徴
1-4.実演効果を説明する理論
1-5.行動データのみに依拠した理論の限界
第2章 脳生理指標からみたエピソード記憶と行為
2-1.脳の解剖学的特徴
2-2.脳生理指標測定方法の特徴
2-3.脳生理指標を用いた実演効果に関する先行研究
2-4.運動感覚情報の再活性化の検討:MEG(magnetencepharography)実験
第3章 脳疾患からみたエピソード記憶と行為
3-1.認知神経心理学
3-2.行為の認知神経心理学的モデル
3-3.失行症患者を対象とした認知神経心理学的実験
第4章 行為を伴うと記憶成績が向上するのはなぜか?
―新たな認知処理モデルの構築―
4-1.これまでに提示された認知処理モデル
4-2.新たな認知処理モデル(符号化時)
4-3.新たな検索処理モデル(検索時)
4-4.新たなモデルの妥当性
4-5.実演効果の認知処理機序(行為を伴うと記憶成績が高まるのはなぜか)
第5章 実演効果の記憶リハビリテーション応用に関する検討
5-1.記憶障害(健忘症)
5-2.現在行われている記憶リハビリテーション
5-3.脳疾患患者を対象とした実演効果に関する先行研究
5-4.実演効果が記憶成績、記憶の正確性、忘却に及ぼす影響:アルツハイマー病患者を対象とした実験
第6章 総合論議
6-1.実演効果の認知処理機序の解明に関する研究の課題と展望
6-2.記憶リハビリテーション応用への課題と展望
謝 辞
引用文献
索 引
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