著者L.D.ファデーエフは、ディラック賞、ポアンカレ賞を受賞し、国際数学連合会長を務めたこともある、現代ロシアを代表する数学者・数理物理学者です。
本書は、非線形発展方程式のソリトン解研究の標準的な方法である「逆散乱法」について詳述し、さらにソリトン理論への応用を解説した教科書です。
「非線形方程式を線形化する正準変数の組が無限個の作用・各変数である」というハミルトン構造を柱とする統一的な観点から記述がなされているので、初学者でも学びやすいものとなっています。
本書で取り上げるような「非線形問題」は、数学のみならず、物理、工学、天文学など多岐にわたる分野に関係しているので、読者層が幅広いことが期待できます。