概要
『日本現代演劇史』(全7巻、白水社)の続巻。同書は近代日本の新劇、歌舞伎、商業演劇などあらゆる演劇ジャンル網羅、膨大な史料を駆使しその発生、隆盛発展、消長を新聞・雑誌・聞き書きその他史料を徹底的に渉猟して精緻な叙述で歴史的に位置づけ、高い評価を得た(1985年、サントリー学芸賞受賞)。
本シリーズは、その前シリーズの基本構造を踏襲し、1954年で終えた最終巻の後を受け、55~70年までの演劇を作品紹介と評価によって歴史的に検証する。
時代的には、イデオロギーに支配された不幸な戦中戦後から開放され、高度成長という社会経済構造が歴史的大転換を迎える時期に重なる。衰退する映画産業にかわって勃興したテレビメディアとときに競合、ときに連衡しながら、演劇は社会の変容を敏感に描きとる。
そしてこの全集で描く時代は、高度経済成長時代の落とし子たちが活躍する時代である。歌舞伎、宝塚、新劇、大衆演劇の俳優陣から、クレイジー・キャッツ、ジャニーズ事務所など幅広い演劇人や、三島由紀夫、福田恆存、安部公房から菊田一夫、浅利慶太、寺山修司、井上ひさし、唐十郎、山崎正和など演劇作家がほぼ揃い、大小劇場がつぎつぎと落成する演劇消費時代でもある。高度経済成長が演劇を非日常から日常に吸収し、後押しした時代で、大衆の欲望が演劇人、演劇作家を刺激する好循環が黄金期をもたらした。
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