概要
正義論の展開に不可欠なアマルティア・センの未邦訳論文3本とそれに対する後藤論文とで構成.二人の理論的な議論を通じて〈福祉〉と〈正義〉の間に対話(ダイアローグ)が生成し,厚生経済学と福祉の視点,社会的選択理論と民主主義の視点,さらには途上国の貧困と日本の福祉の視点が結びつけられる.センの思想の解説書としても有用.
目次
序章 アマルティア・セン――近代経済学の革命家(後藤玲子)
I 個人の権利と公共性
1 民主主義と社会的正義――公共的理性の到達地点(アマルティア・セン/後藤玲子訳)
2 〈自由への権利〉再考(後藤玲子)
II 正義の条件
3 帰結的評価と実践理性(アマルティア・セン/小林勇人訳)
4 正義と公共的相互性――公的扶助の根拠(後藤玲子)
III 正義の位相
5 開かれた不偏性と閉ざされた不偏性(アマルティア・セン/岡 敬之助訳)
6 ローカル正義・グローバル正義・世代間正義(後藤玲子)
終章 福祉と正義(後藤玲子)
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