本書は、マイクロソフトの最新サーバーOSであるWindows Server 2008を対象として、サーバーの導入に際して必要となる基本的なノウハウと、Windows Server 2008が標準装備している機能の利用について解説した書籍です。Active Directory、ファイル/プリンタ共有、Webサーバーなどの解説と、サーバー運用に際しての実践的なノウハウが柱になっています。

どちらかというと、Windows Serverを初めて管理することになった「にわか管理者」を想定した入門寄りの内容になっており、さまざまな機能を網羅的に浅く取り上げる代わりに、使用頻度が高そうな機能について集中的に取り上げる方向で執筆されています。
しかし、Windows 2000 ServerからWindows Server 2003への進化と比較すると、Windows Server 2003からWindows Server 2008への進化のほうが、目立つ新機能が多くなっているため、目玉となる新機能の中から、Server Coreインストールや、仮想化機能のHyper-Vについても取り上げました。そのほか、ターミナルサービスやセキュリティの構成ウィザードなどの便利な機能についても解説しています。
そして、さらなる使いこなしにつながる情報にも触れるようにしています。たとえば、マイクロソフトのWebサイトで提供しているさまざまな情報、あるいはそこにアクセスする手段についても紹介することで、基本を覚えたユーザーが更なる活用を図るための道筋を付ける配慮も行っています。
Windows Server 2003からのアップグレード、サーバー導入後の管理・運用に、それぞれ1章を割くなど、初心管理者だけではなく、Windows Server 2008を導入するためのバイブルになるはずです。

Chapter 1　Windows Server 2008とは、どんなOSなのか？
　1-1　なぜサーバーOSが必要なのか？
　1-2　Windows Server 2008に関するQ&A
　1-3　Windows サーバーの利点とActive Directory
　1-4　Windows Server 2008でできること
　　1-4-1　サーバーマネージャでできること
　　1-4-2　サーバーマネージャと管理ツールの関係
　　1-4-3　役割の追加
　　1-4-4　役割サービスの追加
　　1-4-5　機能の追加
　　1-4-6　役割・役割サービス・機能の削除
　1-5　困ったらここを見てみよう

Chapter 2　ネットワーク構成とサーバー配置の設計
　2-1　ネットワークを設計する
　　2-1-1　ネットワークの規模・構成確認
　　2-1-2　既存のネットワークに導入する場合
　　2-1-3　新規にネットワークを構築する場合
　　2-1-4　コンピュータ名とユーザー名のルール決定
　　2-1-5　ユーザー名やグループ名の表記方法
　2-2　Active Directoryとサーバーの用途配分
　　2-2-1　Active Directoryの構成要素
　　2-2-2　Active Directoryの名前付けと2種類のドメイン名
　　2-2-3　ドメインは階層化しないのが基本
　　2-2-4　サーバーの用途配分決定
　　2-2-5　Active Directoryデータベースとディスク容量
　2-3　Windows Server 2008のライセンス
　2-4　マイクロソフトの各種サーバー製品

Chapter 3　Windows Server 2008のセットアップ
　3-1　不慣れで自信がないときには、まず実験を
　3-2　Windows Server 2008のセットアップ
　3-3　ログオン画面の使い方と、ユーザーの切り替え
　3-4　最初に必要な作業と初期構成タスク
　　3-4-1　TCP/IP設定の変更
　　3-4-2　コンピュータ名の変更
　　3-4-3　必要な作業が終わったら
　3-5　Windows Server 2008の基本操作
　　3-5-1　[ スタート] メニューの使い方
　　3-5-2　ネットワーク設定の変更手順
　　3-5-3　通信状況の確認方法
　3-6　アクセス権の設定と、ユーザー検索画面の使い方
　3-7　ファイルとフォルダのアクセス権設定
　3-8　デバイスマネージャの使い方

Chapter 4　Active Directoryの構成と、関連機能の設定
　4-1　Active Directoryの新規構成
　4-2　ドメインコントローラの追加
　4-3　ドメインコントローラの降格とドメインの削除
　4-4　Active Directoryの機能レベルとは
　4-5　ドメイン機能レベルの引き上げ
　4-6　フォレスト機能レベルの引き上げ
　4-7　DNSフォワーダでインターネット接続を可能にする
　4-8　ネットワークを拡張したときに必要な作業
　　4-8-1　前方参照ゾーンの追加
　　4-8-2　DNSゾーンの同期範囲とは
　　4-8-3　逆引き参照ゾーンの追加
　　4-8-4　不要になったゾーンの削除
　4-9　DNSレコードの登録と削除
　　4-9-1　Aレコードの登録
　　4-9-2　PTRレコードの登録
　　4-9-3　DNSレコードの削除
　4-10　DHCPサーバーの導入と設定
　　4-10-1　DHCPサーバーの役割追加
　　4-10-2　DHCPスコープの追加
　　4-10-3　DHCPスコープの設定変更
　　4-10-4　DHCPスコープオプションの設定変更
　　4-10-5　DHCPスコープの削除・停止・再開
　　4-10-6　DHCPサーバーとDNSサーバーの連携

Chapter 5　Windows Server 2003からのアップグレード
　5-1　アップグレード前の準備作業
　5-2　上書きセットアップの実行
　5-3　システム要件を満たしていない場合の対処方法

Chapter 6　Active Directoryのユーザー管理
　6-1　OUとコンテナ
　6-2　ユーザーアカウントの作成と設定変更
　　6-2-1　ユーザーアカウントの作成
　　6-2-2　ユーザーアカウントのコピー
　　6-2-3　ユーザーアカウントのプロパティ変更
　6-3　ユーザーアカウントのパスワード管理
　　6-3-1　ユーザーによるパスワード変更
　　6-3-2　管理者によるパスワード再設定
　6-4　グループを使ったユーザー管理
　　6-4-1　ビルトイングループとは
　　6-4-2　グループの作成
　　6-4-3　グループのメンバ変更（グループ側から指定）
　　6-4-4　グループのメンバ変更（ユーザー側から指定）
　　6-4-5　グループの名前や説明の変更
　6-5　OUの追加とオブジェクトの移動
　6-6　オブジェクトの削除

Chapter 7　クライアントPCの準備
　7-1　利用可能なWindowsのバージョン
　7-2　コンピュータアカウントの作成
　7-3　Active Directoryへの参加
　7-4　Active Directory参加中にUACが発動したら
　7-5　Active Directoryからの離脱
　7-6　コンピュータアカウントのリセットと削除
　7-7　コンピュータ名を変更するときの手順

Chapter 8　各種のサーバーを設置する
　8-1　一般サーバーのActive Directory参加
　8-2　ドメインアカウントに対する管理権限の設定
　8-3　ファイルサーバーの設置
　　8-3-1　フォルダの共有に関する注意
　　8-3-2　共有アクセス権とファイルのアクセス権
　　8-3-3　エクスプローラによるフォルダ共有設定
　　8-3-4　共有フォルダ一覧表示、設定変更、共有解除
　　8-3-5　その他のフォルダ共有方法
　8-4　共有フォルダへの接続
　8-5　プリンタサーバーの設置
　　8-5-1　ローカルプリンタの追加
　　8-5-2　ネットワークプリンタの追加
　　8-5-3　共有していないプリンタの共有設定
　　8-5-4　共有プリンタのドライバに関する注意
　8-6　共有プリンタへの接続
　8-7　Active Directoryへのプリンタ登録

Chapter 9　Webサーバーを設置する
　9-1　Webサーバー導入・運用の基本
　　9-1-1　Webサーバーの役割追加
　　9-1-2　IIS管理ツールの使い方
　　9-1-3　ログの形式や保存場所の設定
　　9-1-4　既定のドキュメントの追加・変更
　　9-1-5　アプリケーション実行環境（CGI・ISAPI）の設定
　　9-1-6　仮想ディレクトリの追加
　　9-1-7　Webサイトの追加
　9-2　WebサーバーにおけるSSLの利用
　　9-2-1　自己署名サーバー証明書でSSLを実現する際の手順
　　9-2-2　Webサイトの準備と自己署名サーバー証明書の作成
　　9-2-3　バインドの設定変更
　　9-2-4　[証明書]管理ツールの作成とCA証明書の配布
　　9-2-5　クライアント側のCA証明書インポート
　　9-2-6　サーバー証明書要求ファイルの作成
　9-3　FTPサーバーの導入
　　9-3-1　FTPサーバーの役割サービス追加
　　9-3-2　コンテンツの配置場所変更
　　9-3-3　ログ記録の有効化
　　9-3-4　IPアドレスによるアクセス制限
　9-4　Webサーバーの付加機能いろいろ
　　9-4-1　カスタムエラー文書の設定
　　9-4-2　Webコンテンツの有効期限設定

Chapter 10　仮想化機能Hyper-V
　10-1　仮想化とは?
　10-2　仮想化のメリットと、仮想化に向く場面
　10-3　Hyper-Vのシステム要件と役割の追加
　10-4　仮想ネットワークの設定
　10-5　仮想マシンの新規作成
　10-6　仮想マシンの起動・終了・停止・リセット
　10-7　OSのセットアップと光学ドライブのキャプチャ
　10-8　仮想マシン動作中のキーボード/マウス操作
　10-9　統合サービスのセットアップ
　10-10　仮想マシンとHyper-Vの設定変更
　10-11　レガシネットワークアダプタの追加と削除
　10-12　仮想マシンの保存と再開
　10-13　スナップショットの作成と適用

Chapter 11　サーバー導入後の管理業務
　11-1　管理者が日常的に行う仕事
　　11-1-1　ユーザーアカウントに関連する管理作業
　　11-1-2　アクセス権の管理
　　11-1-3　サーバーの動作状況監視
　　11-1-4　イベントログのサイズ・上書き設定とエクスポート
　　11-1-5　システムの負荷や安定性についての確認
　　11-1-6　サーバーのメンテナンス
　　11-1-7　ネットワークの管理作業
　11-2　リモートデスクトップによる遠隔管理
　11-3　グループポリシーによる管理負荷軽減
　　11-3-1　GPOの作業
　　11-3-2　GPOの編集
　　11-3-3　GPOリンクの設定
　　11-3-4　GPOの削除
　　11-3-5　ポリシー適用のタイミング
　　11-3-6　GPOの継承と上書き
　　11-3-7　複数のGPOをリンクしたときの適用順
　　11-3-8　グループポリシーの適用結果確認
　　11-3-9　GPOのバックアップと復元
　　11-3-10　管理用テンプレートの追加・削除
　　11-3-11　admxファイル編集ツール「ADMX Migrator」

Chapter 12　組織やネットワークを拡張するときに
　12-1　組織の拡大に際して、何が必要なのか?
　12-2　サブドメイン・ドメインツリー追加時の注意点
　12-3　サイトの設置
　　12-3-1　サイトの追加に関連する管理作業
　　12-3-2　サイトの名称変更
　　12-3-3　サブネットの追加
　　12-3-4　サイト間リンクの追加
　　12-3-5　サイト間リンクに対する同期間隔設定
　　12-3-6　ドメインコントローラ追加時の操作
　　12-3-7　ドメインコントローラのサイト間移動
　　12-3-8　グローバルカタログとは
　12-4　読み取り専用ドメインコントローラの設置
　　12-4-1　RODCを設置する際の注意点
　　12-4-2　RODCの追加
　　12-4-3　パスワードレプリケーションポリシーの設定変更
　　12-4-4　パスワードレプリケーションポリシーの動作確認
　12-5　サブドメインの追加
　　12-5-1　サブドメインとDNSの関係
　　12-5-2　サブドメイン追加時の操作手順
　12-6　ドメインツリーの追加
　　12-6-1　ドメインツリーとDNSの関係
　　12-6-2　ドメインツリー追加時の操作手順
　12-7　サブドメインやドメインツリーの削除

Chapter 13　Windows Server 2008の便利な機能
　13-1　Server Coreインストール
　　13-1-1　初めてログオンする際の操作
　　13-1-2　コマンド操作の基本
　　13-1-3　Server Coreの基本操作
　　13-1-4　役割・機能の追加と削除
　　13-1-5　Active Directory関連のコマンド操作
　13-2　ターミナルサービス
　　13-2-1　ターミナル サービスの役割追加
　　13-2-2　クライアントから接続してみる
　　13-2-3　ライセンスサーバーの設定
　　13-2-4　ターミナルサービスCALの追加
　　13-2-5　ターミナルサーバーへのアプリケーション導入
　　13-2-6　TS RemoteAppの設定
　　13-2-7　TS RemoteAppの実行
　13-3　セキュリティの構成ウィザード
　　13-3-1　ポリシーファイルの新規作成
　　13-3-2　ポリシーファイルの適用
　　13-3-3　ポリシーファイルの修正
　　13-3-4　ポリシー適用のロールバック
　13-4　インターネット向けにWebサーバーを設置する際の注意
　13-5　スクリプトの活用

Appendix　資料
　A-1　役割の一覧
　A-2　機能の一覧
　A-3　グループポリシー主要項目一覧
　A-4　よく使われるコマンドと構文