「重症悪阻で意識消失」「破水直後の胎児徐脈」「産後高熱が出て下がらない」など周産期の救急事例69例をあげ、症状、検査、診断、治療について、最新情報を盛りこみ、わかりやすく解説する。明日にでも起こりうる救急場面に、迅速な対応方法がわかる。

Ⅰ　妊娠編
　・突然，無痛性の性器出血が起こった　
　　　◆前置胎盤【出血】
　・妊婦の帯下がグレー
　　　◆細菌性腟症【帯下の異常】
　・妊婦が突然の吐き気と上腹部痛を訴えた
　　　◆HELLP症候群【嘔気・嘔吐・腹痛】
　・もしやこれは板状硬子宮というものでは
　　　◆常位胎盤早期剥離【腹痛】
　・妊娠16週を過ぎてもつわりが治まらず，みるみる
　　痩せていく
　　　◆胃癌【心窩部痛】
　・切迫早産の治療中，妊婦が全身のだるさや痛みを
　　訴えた
　　　◆塩酸リトドリンの副作用【倦怠感】
　・重症悪阻で意識を失った
　　　◆Wernick脳症【意識消失】
　・「咳が止まらない」という妊婦のレントゲンを撮る
　　べきか否か
　　　◆Ｘ線撮影の是非【その他】
　・エコーでよく動き胎動が激しいとき「元気ってことです
　　よね」と聞かれた
　　　◆中枢神経異常【胎動の異常】
　・「赤ちゃんが動かなくなってしまった」と電話があった
　　　◆子宮内胎児死亡【胎動の異常】
　・正常妊娠!?　絨毛に異常な超音波所見が…
　　　◆胎児共存奇胎【健診でわかる異常】　
　・エコー中，あれ？　こんなところに胎嚢がもうひとつ…
　　　◆子宮内外同時妊娠【健診でわかる異常】
　・妊娠してはじめて，子宮頸癌が発覚してしまった
　　　◆子宮癌【健診でわかる異常】
　・妊娠してはじめて，子宮筋腫が発覚してしまった
　　　◆子宮筋腫【健診でわかる異常】
　・いきなり急激に血圧が上昇した
　　　◆妊娠高血圧症候群【健診でわかる異常】
　・感冒症状に引き続き尿糖強陽性が出現した
　　　◆劇症1型糖尿病【健診でわかる異常】
　・妊娠中，双胎の一児が亡くなってしまった
　　　◆TTTSなど【健診でわかる異常】
　・赤ちゃんが大きくなっていない…？
　　　◆IUGR【健診でわかる異常】
　・二卵性双胎，妊娠28週，先進児骨盤位，突然の
　　破水！
　　　◆前期破水【破水】
　・妊婦健診で羊水がなくなっていることが判明した
　　　◆羊水過少症【健診でわかる異常】
　・「腰痛気味なのでシップ貼っていいですか？」と
　　聞かれた
　　　◆各種常用薬とその副作用【その他】
　・「上の子がはしかにかかってしまいました」と電話
　　があった
　　　◆麻疹感染【その他】
　・「上の子が水ぼうそうにかかってしまいました」と電話
　　があった
　　　◆水痘感染【その他】
　・はじめは風邪だと思ったけれど，どうも重症な感じが
　　する…
　　　◆A群レンサ球感染症【発熱】
　・「痛いのイヤです」リスクはないのに帝王切開を希望
　　　◆母親希望の帝王切開【その他】
　・「上の子の病気はこれから生まれてくる子どもに遺伝
　　しますか？」と聞かれた
　　　◆遺伝相談【その他】
　・NSTはどこまで信じられる？　確認の方法は？
　　　◆NSTの不確定要因【その他】

Ⅱ　分娩編
　・破水したら羊水が緑色！
　　　◆羊水混濁【羊水の異常】
　・前期破水後，陣痛が発来しない
　　　◆分娩誘発【陣痛の異常】
　・帝王切開既往の経腟分娩トライで子宮破裂
　　　◆子宮破裂【腹痛】
　・陣痛が止まってしまった
　　　◆微弱陣痛【陣痛の異常】
　・陣痛促進薬投与後，妊婦が痛みのあまりのた打ち
　　回って暴れ出した
　　　◆過強陣痛【陣痛の異常】
　・激しく痛がって暴れた後，チアノーゼ症状が！
　　　◆羊水塞栓症【腹痛】
　・破水直後の胎児の徐脈
　　　◆臍帯脱出【ME機器でわかる異常】
　・胎児徐脈が繰り返し起こる
　　　◆NRFS【ME機器でわかる異常】
　・先進児娩出後，後続児に徐脈発生
　　　◆双児の分娩【ME機器でわかる異常】
　・分娩のさなかに痙攣を起こした
　　　◆分娩子癇【痙攣】
　・顔は出た，しかしそこからが進まない
　　　◆肩甲難産【分娩進行の異常】
　・前置胎盤と診断されており，予定帝王切開で癒着
　　胎盤がわかった
　　　◆癒着胎盤【術中にわかる異常】
　・前置血管を見逃して経腟分娩
　　　◆前置血管【出血】
　・胎盤が出てこない
　　　◆胎盤用手剥離【児出生後の異常】
　・施設外で分娩となりそうな場合、なってしまった場合
　　　◆施設外・予定外の分娩【その他】
　・産気づいた未受診妊婦が運ばれてきた！
　　　◆搬送受け入れ体制の基本【その他】

Ⅲ　新生児編
　・赤ちゃんが上肢を動かさない
　　　◆鎖骨骨折【体表の異常】
　・カンガルーケア中の児の体色が悪い
　　　◆カンガルーケアの注意点【チアノーゼ】
　・チアノーゼ，まず何をする
　　　◆先天性心疾患ほか【呼吸循環障害】
　・赤ちゃんが痙攣を起こした
　　　◆新生児痙攣【循環障害】
　・赤ちゃんの息が苦しそう…
　　　◆RDS／TTNB【呼吸障害】
　・48時間以上たっても胎便が出ない
　　　◆鎖肛【消化器の異常】
　・おっぱいが上手に飲めない，飲んでも吐いてしまう
　　　◆消化管閉鎖【嘔気・嘔吐】
　・生後1日目から黄疸がみられる
　　　◆血液型不適合妊娠【黄疸】
　・赤ちゃんの息が止まっている!?
　　　◆SIDS【呼吸の異常】
　・想像以上の多発奇形，家族から治療をしないで
　　くれといわれた
　　　◆生命倫理の問題【その他】

Ⅳ　産褥編
　・産道からの大量出血が止まらない
　　　◆裂傷・弛緩出血・子宮内反・子宮破裂【出血】
　・経腟分娩後，陰部と腹部の激しい痛みが起こった
　　　◆産後血腫【腹痛】
　・褥婦が激しく咳き込んで「しんどい」と訴える
　　　◆周産期心筋症【咳嗽】
　・帝王切開後，最初の離床で倒れ意識消失
　　　◆肺血栓塞栓症【意識消失】
　・急に高熱が出てきて，下腹部痛を訴える
　　　◆産褥子宮内感染症【発熱】
　・産褥入院中に褥婦の結核が判明した
　　　◆院内感染対策（結核）【発熱】
　・意識ははっきりしているが，歩行困難で動けない
　　　◆恥骨結合離開／大腿骨頭壊死【歩行困難】
　・褥婦がしゃべり続けて、話がとまらない．
　　食事もとらず，赤ちゃんも抱かない
　　　◆産褥精神障害【不穏】
　・極度に赤く硬く腫れ上がった乳房…!!
　　　◆乳房緊満／乳腺炎【乳房の異常】

Ⅴ　番外編
　・妊婦の夫に「男性医師の内診は許さん」と言われた
　　　◆クレーマー対応
　・妊婦が自殺未遂を起こした
　　　◆精神的ケア
　・妊婦がDVを受けていることがわかった
　　　◆DVへの対応
　・赤ちゃんが亡くなってしまったとき
　　　◆遺族のケアと法的手続
　・「お金がないので分娩費用が払えません」と言われた
　　　◆福祉との連携(1)
　・未受診で搬送されてきた妊婦が産後，赤ちゃんを
　　置いて行方不明
　　　◆福祉との連携(2)
　・母親が死亡したのは医師の対応が遅れたからだ、
　　と訴えられた
　　　◆周産期の医事紛争