概要
典型的な沈み込み帯(海溝,島弧,背弧海盆(日本海やオホーツク海など)に相当する東北日本のマグマ生成プロセスは,日本海形成前後とそれ以降では著しく異なっている。このことは,玄武岩のSr,Nd同位体比の詳細な研究から明らかになってきているが,これまでに,このような違いとその要因について体系的に説明した著書は存在しない。
東北日本主部,東北日本北部(西南北海道),及び北部北海道の広範囲に存在する玄武岩及び関連岩類のSr,Nd同位体比のデータが蓄積されたことにより,日本海拡大に関連したマントルの活動との関係を体系的に述べることが可能となった。マグマ生成に関連した一般的な事項について,随所で解説を加えながら,東北日本から北海道の新生代におけるマグマ活動を,日本海拡大の構造運動との関連に焦点をおいてリアルに紹介する。
目次
第1章 東北日本弧
1.1 プレート収束境界としての東北日本弧
1.2 沈み込み帯を構成する東北日本弧
1.3 東北日本弧付近の地球物理学的情報
第2章 東北日本弧周辺に産出する火山岩の種類
2.1 火成岩の化学組成
2.2 火成岩の分類
2.3 系列(岩系)
2.4 玄武岩の分類
2.5 安山岩およびフェルシック火山岩の分類
第3章 東北日本弧の火山フロントと火山岩の化学組成の島弧横断変化
3.1 第三紀火山活動のステージ区分と火山フロント
3.2 第四紀火山岩の化学組成の島弧横断変化
3.3 第三紀火山岩の化学組成の島弧横断変化
第4章 第四紀火山における3玄武岩帯の成立
4.1 玄武岩マグマの起源物質
4.2 カンラン岩の種類
4.3 マグマの生成条件
4.4 溶融実験―単純系の研究
4.5 溶融実験―天然の岩石系の研究
4.6 東北日本弧の第四紀初生玄武岩マグマの生成モデル
第5章 東北日本弧の第三紀玄武岩の起源
5.1 Sr,Nd同位体比による研究方法
5.2 マグマの固化過程におけるSr・Nd同位体比の変化
5.3 玄武岩のSr・Nd同位体比からみたマントルの不均一性
5.4 東北日本弧の第三紀火山岩のSr・Nd同位体比
5.5 東北日本弧の第三紀玄武岩の起源
5.6 海溝側の第四紀玄武岩のSr・Nd同位体比
5.7 大陸リソスフェアは始源的マントルか
第6章 北海道の第三紀玄武岩の起源
6.1 北海道西部の第三紀火山岩のSr・Nd同位体比
6.2 北海道中部~北部の第三紀火山岩のSr・Nd同位体比
6.3 日本海周辺の関連するマグマ―テクトニクスモデル
コラム1 海洋地殻
コラム2 地震トモグラフィーの原理と全マントルのP波トモグラフィー
コラム3 ホットスポットとプルームテクトニクス
コラム4 相律
コラム5 テクトニクス場による玄武岩の分類
あとがき
引用文献
索 引
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