新刊書籍情報検索

皆様の研究・教育活動を支えます ー お取り扱いサービス

書籍・雑誌

実験医学 2009年4月号 Vol.27 No.6 骨免疫制御のメカニズム

実験医学 2009年4月号 Vol.27 No.6 骨免疫制御のメカニズム
著者/訳者名

高柳 広 /企画

出版社 羊土社
発行年月日 2009年03月01日
ISBNコード 9784758100465
定価 ¥1,980(税込)

カートへ

概要

RANKL,Th17といった因子を鍵とする今注目の骨免疫学をご紹介!骨芽細胞・破骨細胞や免疫学的制御による骨代謝のメカニズムから骨関連疾患の発症機序など骨研究と免疫研究の新潮流をご執筆いただきました!

目次

特集
骨免疫制御のメカニズム
免疫応答の理解から関節リウマチをはじめとした骨関連疾患の治療まで
企画/高柳 広

概論―骨と免疫の不可分な関係に立脚した新たな生体理解【高柳 広】
免疫系と骨は,それぞれ生体防御と運動機能という全く異った機能を担う.しかし,骨髄内には造血幹細胞が維持され,リンパ球,マクロファージなどの免疫担当細胞が骨構成細胞と同一の微小環境に共存する.すなわち,免疫系が骨代謝に影響を与えるだけでなく,骨は免疫系の一部として免疫反応を制御する.骨免疫学的な視点は,骨と免疫の境界領域としてはじまったが,今や,免疫あるいは骨を研究するあらゆる研究者にとって不可欠なものとなりつつある.
破骨細胞分化を司る_免疫制御分子ネットワーク 【篠原正浩/高柳 広】
骨の恒常性は,骨芽細胞による骨の形成と破骨細胞による骨の吸収のバランスにより保たれている.関節リウマチや骨粗鬆症などの疾患では,破骨細胞の異常な活性化による骨吸収の亢進が認められることから,これら疾患の克服のためには破骨細胞の形成機構を把握する必要がある.これまでの研究により破骨細胞の形成に必須な因子が同定されてきたが,その多くの分子は免疫系の細胞での重要性が示唆されている分子であった.本稿では,免疫系細胞と共有された破骨細胞分化を制御する分子,とりわけ最新の知見を中心とした破骨細胞形成メカニズムについて概説する.
骨芽細胞と破骨細胞の細胞間クロストーク【松尾光一】
骨芽細胞と破骨細胞のクロストークは,骨形成と骨吸収をコーディネートする基本メカニズムである.破骨細胞を骨表面で分化させる中心的役割は骨芽細胞が果たし,骨吸収により生じた骨吸収窩を埋め戻すために骨芽細胞を活性化するのは破骨細胞の役割である.特に骨吸収と骨形成を均衡させるための因子は広い意味で「カップリングファクター」とよばれる.本稿では,骨芽細胞と破骨細胞の接触による細胞間相互作用について概説し,さらに骨リモデリングコンパートメント(BRC)に依存する非接触性の細胞間クロストークについても紹介する.
RANKLシグナルによる免疫発生と免疫寛容の制御【秋山泰身/下茂佑輔/秦 俊文】
RANKL (receptor activator of NF-κB ligand)はTNF (tumor necrosis factor:腫瘍壊死因子)ファミリーに属するサイトカインである.RANKLによって誘導されるシグナルは破骨細胞の分化に必須な因子であることから,特に骨代謝や骨関節疾患との関連が注目されてきた.一方で,RANKLシグナルがさまざまな場面で免疫応答を制御することも明らかとなりつつある.本稿では免疫系の発生と機能におけるRANKLシグナルの役割を概説するとともに,われわれが最近同定した自己免疫の抑制におけるRANKLシグナルの新奇機能について紹介したい.
造血幹細胞ニッチと骨代謝【片山義雄】
骨代謝と造血システム,従来異なるこれらの研究ジャンルが,2003年の骨芽細胞性造血幹細胞ニッチの相次ぐ報告を期に融合した.以来ここ数年で骨芽細胞と造血幹細胞間の接着やシグナル伝達系の分子メカニズムは徐々に明らかになってきている.さらに,骨芽細胞ニッチに作用することによって間接的に造血システムに多大な影響を与えている組織や因子の存在も認知され,もはや造血システムを理解するうえで骨代謝研究の視点は外せないものとなっている.
Th17細胞と炎症性骨破壊~基礎研究から臨床応用まで【佐藤浩二郎】
Th1,Th2細胞に次ぐ第3のエフェクターT細胞サブセットとして同定された Th17細胞は,骨破壊の主役となる破骨細胞の分化を促進しうる唯一のヘルパーT細胞サブセットである.このサブセットはコラーゲン関節炎など,炎症性疾患モデルにおいて重要な役割を担うことが示され,注目されている.現在Th17応答を抑制することが予想される生物製剤の臨床応用や新規開発が進んでいる.それらの製剤の関節リウマチ・骨破壊に対する効果は臨床的に重要であるのみならず,ヒトのTh17細胞の理解に大きく寄与すると考えられる.
骨転移におけるRANK/RANKL/OPGの役割【米田俊之】
多くの固形癌は高頻度に骨に転移し,また血液癌である多発性骨髄腫は骨で発生,増大する.これらの腫瘍が好んで骨に棲みつくのは,破骨細胞による骨吸収が骨環境を増殖因子に富む肥沃な環境としているからである.破骨細胞の形成,骨吸収,そして生存は骨髄ストローマ細胞が産生するRANKL/OPGと,破骨細胞が発現するRANKによって調節される.したがって癌の骨転移にはRANK /RANKL/OPGの三者の連係が重要な役割を演じており,その制御はメカニズムに基づいた骨転移の治療に結び付く.
特別インタビュー
Harvard Stem Cell Instituteから幹細胞研究の現在と未来を語る【Douglas A. Melton】
Harvard大学訪問記【蝦名 恵】
トピックス
カレントトピックス
SRAドメインはメチル化シトシンをフリップアウトする【橋本秀春】
胚性幹細胞の樹立とその自己複製におけるKlf5の役割【依馬正次/長谷川賀一/高橋 智/藤井義明】
DNA 修復の場としての核膜孔複合体【永井成樹】
MeCP2 は成体脳における細胞分化可塑性を制御する【神山 淳/中島欽一】
News & Hot Paper Digest
暴徒化するバッタと神経伝達物質セロトニン
薬物を徐々に放出するコンタクトレンズ
生体顕微鏡が明かす腫瘍内キラーT細胞の動態
世界のノックアウトマウスプロジェクトにおける日本の役割
FDA,アンチトロンビン製剤のATryn を承認
連載
クローズアップ実験法 Overview
可溶性タンパク質発現のための新規大腸菌大量発現ベクター【林こころ/児嶋長次郎】
研究の始め方・進め方・まとめ方
第3回 研究を進める<後編>【山口雄輝】
疾患解明 Overview
脳梗塞の分子病態と標的分子【高橋哲也/松本昌泰】
私の発見体験記
DsbB の結晶構造が解かれるまで【稲葉謙次】
ラボレポート-留学編-
ポスドクにとっての海外ラボ,親としての海外生活~Max Planck Institute of Molecular Cell Biology and Genetics (MPI-CBG)【新井洋子】

こんにちは ゲスト様

マイページ登録でもっと便利に - 岡山大学生協教職員WEBサイト(登録無料)

当サイトでも購入可能です

リンク

  • G_navi_06
  • G_navi_07
  • G_navi_08
  • G_navi_09
  • G_navi_10
  • G_navi_11