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実験医学増刊 Vol.27 No.5 分子標的薬開発への新たなる挑戦

実験医学増刊 Vol.27 No.5 分子標的薬開発への新たなる挑戦
著者/訳者名

岡野 栄之 /編 岩坪 威 /編 佐谷 秀行 /編

出版社 羊土社
発行年月日 2009年03月05日
ISBNコード 9784758102971
定価 ¥5,940(税込)

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概要

次世代医療の魔法の弾丸“分子標的薬”の最新情報を集約!癌・神経疾患・免疫疾患・代謝関連疾患の新薬開発動向から,最先端の創薬テクノロジー,臨床で活躍中の分子標的薬の誕生秘話までがわかる,必読の1冊!

目次

概論
鼎談:分子標的薬開発のいまを語る~注目のシグナル機構と新薬創製のストラテジー【岡野栄之/岩坪 威/佐谷秀行】
第Ⅰ部 有力な分子標的薬と開発が進むシグナル伝達作用薬
第1章 がんの分子標的薬
1.タンパク質リン酸化酵素阻害薬【サンペトラ・オルテア/佐谷秀行】

* BCR-ABL阻害剤
* EGFR阻害剤
* Raf阻害剤
* Auroraキナーゼ阻害剤

2.血管新生阻害剤【佐藤靖史】

* 血管新生制御の分子標的としてのVEGF
* VEGFシグナル伝達系を分子標的とする血管新生阻害剤
* VEGFシグナル伝達系を標的とする血管新生阻害剤の問題点
* VEGFシグナル伝達系を分子標的としない血管新生阻害剤

3.EMT制御と分子標的薬【狩野光伸/宮園浩平】

* EMTの概観と,疾患との関連
* 腫瘍の進行と転移におけるEMT
* EMTに関係する可能性のある分子標的薬の概観

4.がんの抗体医薬の現状と将来【設楽研也】

* 上市されたがん抗体医薬の最新動向
* がん抗体医薬の分子標的と抗腫瘍効果メカニズム
* 従来型のがん抗体医薬の限界と今後の方向性

第2章 脳神経系の分子標的薬
1. donepezilの研究開発戦略【杉本八郎】

* コリン仮説
* さらに偶然の発見に出会う
* 新薬の開発に賭けて燃えた集団
* まさかの坂に遭遇
* donepezilへの展開
* donepezilの薬理作用
* donepezilの臨床治験

2. γセクレターゼインヒビター・モジュレーター【富田泰輔】

* γセクレターゼの分子実態と構造
* γセクレターゼインヒビターの開発と応用
* γセクレターゼモジュレーターの発見と応用
* Notch関連病態へのGSIの適用

3. 新規GSK3β阻害剤によって明らかになった成体神経前駆細胞におけるWnt/β-cateninシグナルの機能【澤本和延】

* 新規GSK3β阻害剤Ro3303544
* 成体脳室下帯におけるWnt/β-cateninシグナルの機能

4. セマフォリン3A阻害剤【菊地 薫/熊谷和夫/木村 徹】

* 天然物からのSema3A阻害剤の探索
* SM-216289の作用メカニズム
* 脊髄損傷に対する治療効果

5. Rho~脊髄損傷治療のターゲット【Noel J. Cusack/Susan M. Flint/Scott J. Munzer/Mark R. Hurtt】

* 神経成長阻害タンパク質によるRhoの活性化
* Rho:脊髄損傷治療のターゲットとして
* C3 transferaseを用いたRho阻害による脊髄損傷治療
* in vivo研究における機能回復の確認
* CethrinRの臨床評価

第3章 免疫系の分子標的薬
1. 抗リウマチ薬「tocilizumab(ActemraR)」の創薬物語【大杉義征】

* 基礎研究によって解明された自己免疫疾患とIL-6のメカニズム
* IL-6の細胞内シグナル伝達様式と多彩な生物作用
* 基礎研究から開発への経緯
* マウス抗体のヒト化を決断
* 抗IL-6受容体抗体の非臨床薬効評価
* 開発を進めた産学連携
* 免疫炎症性疾患の症状発現におけるIL-6の役割とtocilizumabによる改善効果
* 関節リウマチ患者におけるtocilizumabの臨床効果の特徴

2. ケモカインの発見から臨床応用まで【松島綱治】

* ケモカインの炎症・免疫反応における役割
* ケモカイン受容体拮抗剤の開発
* ケモカイン・ケモカイン受容体を標的としたヒト型化抗体の開発

3. T細胞活性化抗原CD26標的薬剤【大沼 圭/森本幾夫】

* T細胞活性化抗原CD26について
* CD26抗体の効果について
* CD26抗体の副作用に関する問題
* AIDS治療薬の初期開発と現在・未来:分子標的薬剤開発の牽引車【満屋裕明】
* AIDSの出現と抗レトロウイルス剤の開発
* 分子標的薬剤としてのAIDS治療薬の研究・開発
* 逆転写酵素阻害剤
* プロテアーゼ阻害剤
* インテグラーゼ阻害剤
* 侵入阻害剤
* 今後の抗レトロウイルス剤開発の展望

第4章 代謝・循環系の分子標的薬
1. アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬~candesartan cilexetilの研究開発【仲 建彦】

* レニン・アンジオテンシン系とその抑制薬
* アンジオテンシン<2受容体拮抗薬
* losartanの発見
* candesartanの発見
* candesartanの化学構造と薬理学的特徴
* candesartan cilexetilの創製
* candesartan cilexetilの臨床試験
* RASの新しい分子標的

2. HMG-CoA還元酵素阻害薬“statins”【遠藤 章】

* 青カビからstatins第1号を発見
* 生物学者たちとの戦い~ラットに効かないから薬にならない
* 毒性学者たちとの戦い(その1)~肝毒性騒動
* 毒性学者たちとの戦い(その2)~発がん性騒動
* 強力なライバルの出現

3.糖尿病の新規分子標的薬~脂肪細胞/インスリン分泌制御/グルコーストランスポーターなど【山内敏正/植木浩二郎/門脇 孝】

* インスリン分泌促進ホルモンインクレチンとその分解酵素DPP(協)2阻害薬
* グルコースの生体内への再取り込みを抑えるSGLT阻害薬
* 東京大学グローバルCOE「疾患のケミカルバイオロジー」とは
* 「疾患のケミカルバイオロジー」研究活動の達成目標
* 脂肪細胞をターゲットとした糖尿病の新規分子標的薬開発の試み

4. 次世代新薬の標的としてのプロスタグランジン【坂田大治/北岡志保/成宮 周】

* プロスタノイド合成をターゲットとした薬物~開発の歴史
* プロスタグランジン受容体を標的とした薬物

第Ⅱ部 創薬開発のストラテジー
第1章 立体構造に基盤をおいた創薬研究
1. 概説~構造解析を用いた創薬開発【安井正人】

* 膜タンパク質の構造研究
* タンパク質複合体の構造機能研究
* タンパク質間相互作用およびタンパク質機能制御
* 分子動力学計算
* タンパク質構造に指南された活性化合物評価

2. 近年の薬物スクリーニング【福西快文/中村春木】

* in silicoスクリーニングによるヒット化合物探索
* リード創製のためのタンパク質-薬物複合体予測

3. 創薬開発におけるNMR法の活用【高橋栄夫/嶋田一夫】

* NMRスクリーニング手法とその特長
* NMR構造情報を活用した化合物リンク戦略

4.分子標的の創薬とIκBキナーゼβ阻害剤の開発【板井昭子】

* HTSの出現と問題点
* 論理的創薬手法の開発
* IKKβ阻害剤の開発

5. 構造解析に基づくRhoキナーゼ阻害剤の開発【合田圭吾/箱嶋敏雄】

* Rhoキナーゼ阻害剤
* Rhoキナーゼドメインの三次元構造
* Rhoキナーゼ阻害剤の結合様式
* 新規Rhoキナーゼ阻害剤の設計

第2章 次世代の創薬研究
1. 核酸創薬の開発状況【藤原将寿/宮川 伸/中村義一】

* アンチセンス
* siRNA
* アプタマー

2. ショウジョウバエを用いた創薬研究~ショウジョウバエ・モデルにおけるエネルギー代謝制御機構の研究【香山-古金谷綾子/三浦正幸/平林義雄】

* ヒト疾患研究に有効なショウジョウバエ
* ショウジョウバエ・モデルにおけるエネルギー代謝機構研究
* グルコース応答受容体BOSS/GPRC5B

3.魚類を利用した創薬【谷口善仁/武田俊一】

* HTSを可能にする小型魚類の特徴
* 新薬探索時の毒性評価
* 順化学遺伝学による新薬の探索
* TILLING法による疾患モデルの作製

4. ゲノム創薬の新機軸:インシリコ創薬【辻本豪三】

* ゲノム科学による医学,医療
* 薬理ゲノミクス(Pharmacogenomics:PGx)
* ゲノム創薬
* インシリコ創薬

5. 創薬標的としてのエピジェネティクス制御機構【竹本 靖/伊藤昭博/福田 勲/吉田 稔】

* エピジェネティクスによる遺伝子発現制御
* エピジェネティクス異常と疾患
* エピジェネティクス制御化合物の創薬応用への期待

6. ケミカルバイオロジーに基づく創薬研究【河村達郎/田代 悦/井本正哉】

* スクリーニングソースの供給
* スクリーニング
* 作用機構解析,薬理活性評価

7.幹細胞を用いた創薬【桜田一洋/坂井徳子/土肥-寺見浩美/鈴木 忍】

* 組織変性疾患に対する幹細胞創薬
* 卵巣ホルモン産生細胞の再生誘導薬探索

索 引

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