官民業癒着の象徴として語られる「天下り」は、実は学問の対象としてきちんと研究されてこなかった。本書ではさまざまな関係者の証言やあらゆる種類の資料を渉猟し、多角的かつ包括的に天下りを分析した画期的なものである。

序章　すれ違う天下りの議論－「天下り」はなぜ曖昧なのか？－
　天下りの曖昧さ
　本書の意図と構成

第一章　「天下り」とは何か

第二章　公務員等の天下りの現状
　第一節　公務員等の天下りを分析する際に使用するデータについて
　第二節　国家公務員の天下りについて
　第三節　地方公務員の天下りについて
　第四節　非営利法人の天下りについて

第三章　国家公務員の天下りの現状分析とその特徴
　第一節　各省毎に異なる天下り先の種類・豊富さ等
　第二節　「天下る人」からわかる天下りの特徴
　第三節　天下り先の特徴

第四章　天下りを成立させる要素
　第一節　天下り促進的に機能した中央官庁側の内部要因
　第二節　拡大をたどった営利法人・非営利法人の天下り受け入れ動向
　第三節　天下る側と受け入れる側との四つの関係

第五章　天下りが引き起こす様々な問題と天下りを規制する枠組み
　第一節　天下りが引き起こす様々な問題
　第二節　天下りを規制する枠組み

第六章　天下りの実態

第七章　天下りに対する国民の対応と天下りの多面性
　第一節　天下りに対する国民の反応
　第二節　天下りの多面性

第八章　戦前における天下りの動向
　第一節　天下りの淵源－戦前と戦後の連続性を認めるか否か－
　第二節　戦前に天下りは存在したか
　第三節　天下り先の発達
　第四節　GHQの天下りに対する認識度合い

終章　天下りの変遷
　第一節　戦前・戦後を通じて見られる天下りの特徴
　第二節　「戦前の天下り」と「戦後の天下り」の違い